マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

2015-01-01から1年間の記事一覧

何者でもない短歌

そんな日もある。1.青 もしや青色のとがった鉛筆は空に投げられ五年ほどたつ?2.梅 工場の屋根の隙間にぎっしりと収まる梅はそれぞれ濁る3.傘 釣り堀に浮かぶビニール傘にのるカエルはゲロロとやさしく消える4.曲がり角 レシートに濾された大気は曲がり角迎…

通勤ルートを多く持つ大人になりたい/「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」

通学路はよく聞くが、通勤路となると違和感を覚える。なぜか通勤ルートのほうがしっくりくるのだ。私のイメージでは路は曲がりくねった道の連なりで、ルートは直線が交差するそれである。大人たちはいつからまっすぐばかりの道を走るようになったのか。おそ…

私にとって注射は非日常を与える兵器でしかない/「ザップ・ガン」

私は注射が嫌いだ。なにしろ痛い。「チクッとするだけだから大丈夫」なんていう人がいるが、じゃああなたは朝顔を洗って歯を磨いてついでにチクッとするのか。そんな非日常的な痛みを簡単に受け入れることが出来ない。そのうち子どもが出来て、「父さん注射…

世界観をつくっては壊し六十秒が経つ/「カフェと日本人」

今朝もコーヒーを入れた。最近は豆を均一に炒るコツが分かってきて、昨日焙煎した豆は先週のそれよりもおいしくなった気がした。しかし、喫茶店のマスターのようにうまくドリップできない。どうしても落とす湯量が一定にならず、お湯が先っぽでぶれる。練習…

旅の終わりの記憶と筆まめのトライアヌス/「ローマ人の物語 24」

紀元九十八年から百十七年までの約二十年、ティベリウスはローマの皇帝として勤めた。初の属州出身であった彼だが、統治の評判はすこぶる良く、後の五賢帝のひとりとして数えられる。行ったことは公共事業と、ダキアとパルティアとの戦争。ダキア戦役の記録…

昨日で二十六になりました。何かください。

信じられないかもしれないが、昨日で二十六歳になった。これはいったいどういうことだろう。僕が知っている二十六歳はこんなものではない。月日は僕を置き去りにして遠いところへ行ってしまったようだ。この一年はそれはいろいろな出来事があったがどれもか…

フライパンでコーヒー豆を焙煎する

休日出勤であったが、定時で帰宅することができた。帰り道には日曜の残り香が漂っていた。家に戻っても日は落ちない。いまのうちに休日気分を味わってしまおうと思い、コーヒー豆を焙煎した。先日、ついにコーヒーの生豆を買ってしまったのだ。生豆は800gで1…

ランボー怒りの休日出勤

工作機械と一緒に「つくってわくわく!」するのが私の仕事だが、どうも休日出勤をしないといけないらしい。実際はいけないことはなく、私が勝手に決めただけだが。来週末までにつくっておきたいパーツがこのままのペースでいくと完成しないのだ。心の中でゴ…

何者でもない短歌

第3回「短歌の目」5月のお題および投稿作品一覧です - はてな題詠「短歌の目」1. うぐいす すぐそこにあった切符をうぐいすに結びしばらく横で汽車待つ2. 窓 カーテンの向こうには窓向こうには世界があるんだわたしはたわし3. 並ぶ ピンチ時に代打で呼ばれる…

Fablab鎌倉へ行き、朝ファブに参加してきた。

鎌倉駅で降りた。あたりに高い建物はなく、青空がよく見えた。町は素朴であったが、どこか都会らしさかった。駅を出て紀伊国屋というスーパーの前を右に曲がり、しばらく歩くと左手に酒蔵が見えた。Fablab鎌倉である。Fablabとはオープンなものづくりの場だ…

今のはカントのフタエノキワミ?!/純粋理性批判(上) 解説5(終)

旅先にも関わらず、いつもと同じ時間に起きた。しばらく部屋で過ごしたあと、一階のレストランで朝食を食べた。ビュッフェ形式で、それぞれの大きな皿にパンとスクランブルエッグ、ウィンナーや野菜が置かれていた。適当とった。デロンギのコーヒーメーカー…

走る東海道本線と川沿いリバーサイド鎌倉/純粋理性批判 (上) 解説4

渋谷センター街のスタ丼で夕飯を食べた。店を出てから気づいたが、昼飯も豚肉を食べていた。それだけ肉を欲していたのだろう。駅前は人でごったがえしていた。ごったがえす、という表現はまさに的を射ていると感じた。彼らの名前は知らないし、これからも知…

図式と時間と渋谷/純粋理性批判(上)解説3 

いいかげん、純粋理性批判の上巻を読み切らなければいけない。残業が多かったとはいえ、書評に一ヶ月かけてしまうのはやはり遅すぎる。今回は前回の続きで、判断力の項から書き始めよう。

完成されたコーヒーは茶亭羽當にあった。

松屋で昼飯を食べた後、近くの本屋で時間を潰した。この旅自体が無為な行為であるから、時間を潰すという表現はおかしいかもしれない。けれども実際にそうだから困る。本は買わずに電車に乗った。 渋谷駅で降りた。人が多かった。道路はガンジス川のように広…

意味のない旅をする。

目をさますと新宿にいた。人は少なく、途方もなく高いビルがあたりを支配していた。私は新宿駅を目指した。どこに行けばいいのか、しばらく迷った。新宿駅がいくつもあった。地下に潜ることは避けたかったので、JR新宿駅に行くことにした。改札を通り、黄色…

どこから読んでも草不可避/もしも矢沢永吉が『桃太郎』を朗読したら

先日、星井七億 (id:nanaoku) さんの桃太郎の本を購入した。これは、日本昔話の桃太郎をさまざまな切り口で展開させる話だ。タイトルの「矢沢永吉〜」はその代表作である。「この時点でもうスターの素質があったのよ」「金銀財宝とか、BRAVIAとか、プレミア…

矢印のないメモをとる

矢印が好きではない。正確に言うと、矢印を用いて思考を整理することが好きではない。以前はメモ帳に「A→B」などと記入していたが、教授に怒られてやめた。ときどき思い出す。彼は私の矢印入りの研究ノートを見て、こう言った。「矢印は嫌いなんだよね。それ…

今まで飲んだ銘柄からおすすめのコーヒー(豆、粉)を紹介する。

私の半分はカフェインで出来ている。もう半分はナポリタンと牛乳である。学生時代の後半に、ハンドドリップを覚え、気がつくと日常がすっかりコーヒーに浸食されてしまった。特に昨年から今年にかけてはその熱は高まり、「そろそろ生豆を購入して焙煎からや…

金曜のたい焼きに結合するあんこ/「純粋理性批判(上)」解説 その2

木曜日はたい焼きの日と決めていて、おばちゃんが経営するその店でもちもちのたい焼きを買っている。しかし、今週は木曜は店の諸事情で休みになっており、僕はその恒例行事を一日延期した。つまり昨日のことだ。一日遅れで購入したそれは、ちゃんとおいしか…

あたりまえ体操の入り口 / 純粋理性批判(上)の解説

ひとむかし前に、あたりまえ体操というのが流行った。2人組の男性があたりまえの動きについて論じている。「右足出して左足出すと、歩ける」「手首をまえに何回か曲げると、人来る」彼らはそうやって笑いをつくっていた。しかし、あたりまえとは何なのだろう…

2700短歌

はてな題詠「短歌の目」4月に参加。第2回「短歌の目」4月のお題および投稿作品一覧です - はてな題詠「短歌の目」2700という芸人が好きです。短歌にしました。

晴れた休日と昭和の喫茶店

週末の過ごし方は大体決まっている。二日のうちどちらかは喫茶店へモーニングを食べにへ行き、もう一日は家でナポリタンをつくる。ナポリタンの話はすでにしたはずなので、今日は喫茶店のほうを話そう。

それほど役に立たない円周率のはなし 後編/「πの話」

円周率をどのように求めるかを研究するにつれて、円周率そのものが何であるかも分かってきた。ギリシアの三大難問のひとつに円積問題がある。これは「与えられた円と同じ面積をもつ正方形を定規とコンパスだけで描けるか」というものだ。

日常生活ではまったく役に立たない円周率の歴史/『πの話』

円周率にはまっている。別に小数点百位まで覚えるとかそういうものではなく、ただ単に円周率の歴史が気になって本を読んでいただけだ。『πの話』の中身は、人類の円周率の発見と分析の歴史である。およそ3の時代からはじまり、幾何的、物理的な計算、そして…

答えより問いに価値あるデザインは/雑誌「WIRED Vol.15」

最適なソリューションなんてどこにもないのかもしれない。僕らが求めているのは答えよりも問いそのものであって、空が青い理由を知ることよりも、青い空を眺める余裕を持つことのほうが重要だったりする。そんな休日だった。

ナポリタンとコーヒーと、私と仕事

つくりすぎた。 一つ前は何について書いていたのか。ダムナーティオ・メモリアエの苦しみを味わった私は、現在睡魔と闘っている。部屋は丁寧に梱包されている段ボールの中のようで、淡々とした空気が流れている。この一週間はいろいろあったようで、何もなか…

そこらへんの記録抹殺刑(ダムナーティオ・メモリアエ)/ローマ人の物語23

七十九年、ヴェスパシアヌスの死後、息子のティトゥスが帝位につく。よきことをしようと努めたが、ヴェスヴィオ火山の噴火やローマ大火、疫病の処理に追われていたら倒れた。 八十一年、弟のドミティアヌスが兄に代わる。在位十五年の間にインフラ整備や多数…

存在としてのピッコロ、それは「聖なる侵入」

存在について書く、なんて大風呂敷を広げなきゃよかった。その問題は今までに数えきれない哲学者が言い切れない時間を使って考え抜いてきたからだ。彼らがバウムクーヘンの根っこを形づくり、年頃の若者たちが似たりよったりの理想を上書きする。死は生だと…

ingress短歌 その2

すみません、存在の記事はまた次回。今日は短歌を詠ませてください。 二回目も題材は同じだけれど少し生活にかかる部分が増えた。3月の題詠短歌10首および投稿作品ご紹介です - はてな題詠「短歌の目」1.雛 懐のスマホは卵か背を曲げる 雛も私も未だかえらず…

フィボナッチに潜む神、そして「聖なる侵入」

小学生の頃、算数がぞっとするほど苦手だった。三桁同士の足し算や引き算は苦労した。筆算をプリントのあちこちに書き込んで解いていくのだが、毎回違った答えになってしまい焦る。特に繰り下がりの引き算は時間がかかった。「十の位から借りてくる」とかそ…