マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

分かっちゃいるけど、やるのは難しい /「エッセンシャル思考」


 書き始めが冬のことばかりになっている気がして、私自身が寒さを求めているのだなと感じた。それくらい今年の冬は暖かい。始発の電車で会社に向かう時、冷えた手を缶コーヒーで温めたりもしたいが、そういうほどでもない。だから私はセブンカフェのコーヒーを買うのか。あれおいしいよね。関係ないね。

 エッセンシャル思考を読んだ。目標を明確に!余分なことはしない!そうすればOK!そういう本だ。「そんなのわかっているよ」という声も聞こえるが、これはただわかっているだけではダメだ。実践を伴って初めて価値が生まれる。本を読んで、少しずつエッセンシャルな形が身についてきたので、記録しておく。

 まずは本質的な目標を定める必要があった。これはワクワクして、具体的なものがいいらしい。私はひとまず「IoTで10万円稼ぎたい!」とした。次に不要なものを捨てることにした。この捨てるというのは難しいのだが、なにか新しいことを始めるなら、なにかを捨てなければならない。私は自分に降りかかる仕事のうち、後輩に任せられることは任せることにした。これで自分のやりたい本質的な仕事(社内IoT化)に集中することができた。

 なにも後輩に全部投げるわけではない。目標と期日は明確に伝えた。具体的な方法は後輩も知っていたので、あまり細かく注文するのはやめた。重要だったり、期日が短い仕事は進捗を細かく追う必要があるが、それも最低限にした。時々フォローはするが、いまのところ案外うまく回ってきている。彼も着実に成長しているのだ。すばらしい。私はIoTをやるぞ。

 仕事で身につけたIoTスキルを個人活動でも生かせるようにしたい。そのために職場の仕事はIoTだけになるように努力している。

 捨てることができてきたら、自分のパフォーマンスを高めることを考える。エッセンシャル思考では睡眠時間の確保をうたっている。私は少し睡眠時間が少なかったので、会社の昼休みに10分ほど寝るようにした。これはどう変わっているかよくわからない。ただ、健康に対する意識は変わった。今までは風邪をひいいたら治すくらいにしか考えていなかったが、今は風邪を引く前に体をコントロールするようにしていている。睡眠、運動、野菜、瞑想。瞑想はいらないか。

 あとはバッファをとる。ひたすらバッファをとる。予想してた時間の1.5倍をとるといい、と本に書いてあった。そういうわけで2,3日で終わりそうなことを1週間で行うような計画を立てた。やってみると、突発的な別のことがらや不具合がおこって、ほんとうに1.5倍の時間で収束することもあった。すごい。バッッファすごい。

 エッセンシャル思考は楽しい。楽しいことだけに集中して日々を過ごしていたい。

(Photo by Dan Meyers on Unsplash)

エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする

kintoneの勉強会でLTをした話

 文章の淀みのようなものをすくってどこかに投げている、そんなことができているか。以前の文章のほうがどこかとげとげしさがあって、ずっとシャープでいた。それが良いか悪いかは別の話として、今は決して書けないのだろうなと気がついた。

 kintoneというグループウェアの勉強会があって、わたしはそこでLTをした。オフラインのイベントに参加するのは初めてだったが、わりとどうにかなった。
 題目はこれ。

 

www.slideshare.net
kintone Café 広島 Vol.17@広島 - connpass

 IoTをやっていく上で、データの表示はkintoneにまかせるといいよ!という話をした。多くの準備はできなかったが、反応はよかった。嬉しかった。その日のためにつくった名刺を、何人かの人と交換した。嬉しかった。けっこう経験値を得た気がした。そういうことだった。まずは手を上げないとはじまらなかった。「今年はオフラインのイベントに参加したいな」と考えていたところに、勉強会が開催されるという通知が来た。LT枠が空いていたので思い切って申し込んだ。「どうやるか」はそのあと考えることにした。

 手を上げまくる日々が続いている。先月は毎週がチャレンジングなものだった。けど、それをあまり自分で意識しなくなってきた。わりといい兆候だと思う。

 今年中にIoTの勉強会を開きたい。みんなでくだらないものを作ってわっしょいやっていきたい。

Photo by John Fowler on Unsplash

広く深く楽しいIoTの本 /IoTエンジニア養成読本 設計編

f:id:kyokucho1989:20200120220111j:plain

 難しく考え過ぎていた。雪は降らなかった。当たり前と思っていたことがそうではなかったりした。日々の暮らしにいくつかの句読点をうち、私はそれを読み進めていく。IoTが熟成していく。日本語もままならない。
 「IoTエンジニア養成読本 設計編」を読んだ。非常に養成された。ここまで広く深くIoTに言及している本はないのではないか。どこか皆IoTを未来っぽい技術だと思って、距離を置いて発言してるがこれはそうではなかった。IoT使われるデバイス、通信、クラウド、セキュリティ、それらが散りばめられている。自分の中でなんとなく頭に入っていた言葉たちが体系化されてきた。この感覚は久しぶりで興奮する。

 前にも書いたが、IoTは全ての知識を頭に入れておく必要はない。そして全ての技術を自分で開発する必要もない。大切なのは生産性の向上である。IoTをやって、自分や周りが豊かになればそれでいいのだ。お金をかけてもいいなら、既存の良いサービスを使ってしまおう。クラウドやデバイス、良いものはたくさんある。私がおすすめするのはM5Stack + soracom である。これでだいたいのデータは可視化できてしまう。機械学習やエッジコンピューティングとかをやろうと思ったらAWSやラズパイが入ってくるだろうが、それはまたそれの話。

 この本に書いてあることもやりながら学んでいけばいい。

 つまり、自分の得意な領域だけでなく、センサーからの情報取得方法、組み込みコンピューティング、ネットワークの設定、クラウド、判断のためのアルゴリズムや機械学習など、多岐にわたる知識と技術を一定レベルで習得しておけば、自らの手で新しい価値を生み出すことができる可能性ができるのです。

「IoTエンジニア養成読本 設計編」p150

 そうだね、そのとおり。

IoTとセキュリティ

 本書にも書かれていたが、IoTにはIoTならではのセキュリティ上のリスクがある。デバイスが小さく、マシンパワーが小さい。そして保守が困難な場合が多い。誰かがさーと持ち帰ってしまうかもしれないし、デバイスに複雑な暗号処理をさせるようなことは難しい。どうするか。

 経済産業省がIoTセキュリティガイドラインを発表している。
IoTセキュリティガイドラインを策定しました(METI/経済産業省)

 これをふまえて、セキュリティを色々考えていくといい。社内の啓蒙や、ロギング、リリース後の保守などさまざまなことが書かれている。


 ざっくりと本を紹介した。楽しい本だった。今後もざっくり本の感想を書いていくぞ。

Photo by brandon siu on Unsplash


機械設計とプログラミングはちょっと似てる/「リーダーブルコード」

f:id:kyokucho1989:20200116045528j:plain
 加工機の切削音が私の体を揺らしていた。六軸のロボットたちは今日もげんきに部品を振り回して、それぞれにセットしている。ブロワとときどきのアラーム音。私はここで生きている。あるいは文章を補給しなければならなかった。自身の中の言葉はとうの昔に枯渇していて、私はだれかのセリフをそのまま伝えるだけのテープになった。ここでメモを書こう。

 リーダブルコードを読んだ。より良いコードを書くためのテクニック、とうたっているだけあって、いろいろと優れていた。共感したのは「優れたコードは理解しやすいコードである」ということだ。たしかにそうだった。コードは機械だけではなく、人も読むものである。なにかを共同でつくるとき、保守するとき、コードは自分以外の人に読まれる。そのときに理解に時間がかかってしまうものではダメなのだ。自分以外の人とは数ヶ月後の自分も含まれる。

 後半の章は、わたしのレベルではまだまだ活用できそうにないが、前半のものはすぐに適用できそうだ。変数名や関数名をもっとわかりやすいものにしたり、コメントをつけることだ。類語辞典を使って、もっと明確な意味がないか探すというのは「なるほど!」と思った。

 本書が述べている「優れたコード」の価値観は、機械設計でも適用できる。図面をかくときも、わかりやすいものでなければダメだ。寸法の抜けがあったり、基準面が一致していなかったり、加工の実現性のないものをかいてはダメだ。


 ただ、もっとも優れた機械設計というのは設計しないことだ。わたしたち技術者はの仕事は、技術的な問題を解決することだ。図面をかくのが仕事ではない。設計せずに問題が解決できるならこんなに素晴らしいことはない。購入品で済ませる、ありもので済ませる。これらのことを考え抜いて、それでもだめなら設計する。きっと、コードをかくときも、こんなイメージでいいのではないか。

 リーダブルコードの全てを理解してつかいこなすのはまだまだ時間がかかりそうだ。けれども、手元にはあったほうがいい。わからないことがあったら、少しずつこれで調べていこう。

Photo by Tedward Quinn on Unsplash

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

リーダブルコード ―より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック (Theory in practice)

  • 作者:Dustin Boswell,Trevor Foucher
  • 出版社/メーカー: オライリージャパン
  • 発売日: 2012/06/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

知りたがりーなワクワクさんとルクレーティウス/「ハードウェアハッカー」

 それらしく日々が過ぎていく。正月中に少しだけ本を読んだ。先日の「最軽量のマネジメント」に加えて、「ハードウェアハッカー」のページをめくっていた。これほどまとめづらい本は久しぶりだった。

 超優秀なエンジニアがこの世の理を理解しようとしていた。そんな印象を受けた。著者のバニーさんは、メイカー界隈ではくっそ有名な人物らしく、いろんな人が紹介していた。わたしは知らなかった。彼は深センから捲き上るハードウェア熱にわりと初期から飛び込んでいて、本書にもいろんなレポートが記されていた。すごいな。本当に深センという場所はあるのだろうか。いつかいきたい。

 4章からなんかすごいことになっていた。PICマイコンを分解して、中のシリコンチップの構造を推定していた。また、フラッシュメモリの中のセキュリティヒューズというやつに、紫外線をうまい具合にあてて、それをリセットしていた。何してるんだこの人は。

 あと、コンピュータウィルスと通常のウィルスを比較して語っていたのも面白い。著者は、生物を「IPアドレスを持つコンピュータ」と考えた。そして、生物の機能的な細胞群を「独自のアクティブなポート」としてとらえていた。人間を殺すウィルスのビット数を計算していた。何してるんだこの人は。

ハッカー精神とは、ルクレーティウス的なあれ

 ハッカー精神は、人間の問題解決能力を表現する究極のものだ。だれかに決められた社会の構造やしきたりではなく、自分自身の目で世界がどのようなものか見極める能力といえる。
 アンドリュー ”バニー” ファン著「ハードウェアハッカー」 p401


 きっと著者は知りたがり〜なわくわくさんなのだろう。私たちが日々漫然といきている中で、彼は物事の仕組みや原理や構造を理解したいと欲しているのだ。だから考え、試し、記録している。「物の本質」のようだ。

matoyomi.hatenablog.com


 そうか、上記の書評記事からもう五年が経っているのか。あのころの方が、大人の文章を書けていた気がする。

 ルクレーティウスの時代と比べたら、物事のメカニズムは少しずつ明らかになりつつある。しかし、まだ意識や脳の根元には届いていない。ペンローズさんの量子脳理論とかは面白いけど。

matoyomi.hatenablog.com


 そういったわけで、わたしもバニーさんのようにハッカー精神をもった人間になりたい。ソフト、電気、機械、生物、デザイン、おおよそのあれを学びたい。そして死ぬまで生きてやるぞ!

Photo by andreas kretschmer on Unsplash

ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険

ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険