マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

知りたがりーなワクワクさんとルクレーティウス/「ハードウェアハッカー」

 それらしく日々が過ぎていく。正月中に少しだけ本を読んだ。先日の「最軽量のマネジメント」に加えて、「ハードウェアハッカー」のページをめくっていた。これほどまとめづらい本は久しぶりだった。

 超優秀なエンジニアがこの世の理を理解しようとしていた。そんな印象を受けた。著者のバニーさんは、メイカー界隈ではくっそ有名な人物らしく、いろんな人が紹介していた。わたしは知らなかった。彼は深センから捲き上るハードウェア熱にわりと初期から飛び込んでいて、本書にもいろんなレポートが記されていた。すごいな。本当に深センという場所はあるのだろうか。いつかいきたい。

 4章からなんかすごいことになっていた。PICマイコンを分解して、中のシリコンチップの構造を推定していた。また、フラッシュメモリの中のセキュリティヒューズというやつに、紫外線をうまい具合にあてて、それをリセットしていた。何してるんだこの人は。

 あと、コンピュータウィルスと通常のウィルスを比較して語っていたのも面白い。著者は、生物を「IPアドレスを持つコンピュータ」と考えた。そして、生物の機能的な細胞群を「独自のアクティブなポート」としてとらえていた。人間を殺すウィルスのビット数を計算していた。何してるんだこの人は。

ハッカー精神とは、ルクレーティウス的なあれ

 ハッカー精神は、人間の問題解決能力を表現する究極のものだ。だれかに決められた社会の構造やしきたりではなく、自分自身の目で世界がどのようなものか見極める能力といえる。
 アンドリュー ”バニー” ファン著「ハードウェアハッカー」 p401


 きっと著者は知りたがり〜なわくわくさんなのだろう。私たちが日々漫然といきている中で、彼は物事の仕組みや原理や構造を理解したいと欲しているのだ。だから考え、試し、記録している。「物の本質」のようだ。

matoyomi.hatenablog.com


 そうか、上記の書評記事からもう五年が経っているのか。あのころの方が、大人の文章を書けていた気がする。

 ルクレーティウスの時代と比べたら、物事のメカニズムは少しずつ明らかになりつつある。しかし、まだ意識や脳の根元には届いていない。ペンローズさんの量子脳理論とかは面白いけど。

matoyomi.hatenablog.com


 そういったわけで、わたしもバニーさんのようにハッカー精神をもった人間になりたい。ソフト、電気、機械、生物、デザイン、おおよそのあれを学びたい。そして死ぬまで生きてやるぞ!

Photo by andreas kretschmer on Unsplash

ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険

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