僕の大学生活ってなんだったんだ?
高専ってすごい! 情報工学を体系的に学ぶために高専でやってきたことをまとめる。 - nigoblog
こちらのid:nigohirokiさんのエントリを読んで、自分が大学でどんなことを学んだのか思い出したくなった。なにせもう六年も大学に居るのだ。最初のころの記憶はもう思い出に遷移している。
「大学なんて遊んでるだけで行く意味ないじゃん」
昔誰かにそう言われた。確かに大学時代は人生の夏休みだ。遊び放題怠け放題好き放題。なんにもできないかもしれない。
しかし果たして本当にそうなのか?ちょっと思い出してみる。
一年次
理系だったが、教養科目も多く履修していた。文学関係の授業はどれも面白くて当たりだった。中国文学は先生の旅行体験記を聞いていれば良かったし、アメリカ文学はゴッドファーザーを観て感想を書いた。英語、第二外国語はなんとかついていけたが、線形代数学は宇宙の言葉だった。まったく理解できない。仕方が無いから写経の授業だと開き直ってノートをとることにした。単位は取れた。
二年次
授業は増えたけど、ひたすらサークルの練習に明け暮れていた。自販機の明かりのもと練習を続け、気がついたら日が変わっていたなんてこともあった。懐かしい青春の日々。
微分方程式
小学校から習ってきた方程式の最終形態。この世の理を表すことができる。後に電気回路や機械力学などいろんな分野で活用する。変数分離法ができれば大丈夫。
ベクトル解析
勾配、発散、回転を使ってベクトルを微分したり内積をとったりする。高校までのベクトルは図を描けばなんとかなったけど、大学ではそうはいかない。外積の理解からつまずく人が多い。これができないと流体力学や熱力学で苦労する。
材料力学
履修者の約半分が単位を落とすという恐怖の授業。剛体のねじれ、梁の曲げとたわみ、断面二次モーメント。どうやったら壊れるか、どうしたら壊れないかを学べるこの授業はエンジニアにとってとても大事なものだ。落としたけど。
流体力学
水や空気等、個体じゃないものをちっさい粒子の集まりとして力学で演算しようと試みる学問。突き詰めると深いところまでやるはめになるが、今回はさわりだけ。重要な方程式に条件を加えていくとどんどん簡単なものになっていくのが楽しかった。非圧縮、非粘性のベルヌーイの定理等。
設計製図
おえかきの授業。学籍番号の下に桁で寸法を決めるのでとなりのひとの図面を真似することは不可能。三次元CADもちょろっとやった。
工場実習
学校工場をお借りして、旋盤やフライス盤を使って金属を加工する。NC旋盤で加工するためにちょっとしたプログラムを書いたりする。楽しい。
三年次
- ものづくり実習
- 電気回路/電子回路
- メカトロニクス
- 制御工学
- 計測工学
- 機械材料
- 生産システム
- 伝熱学
- 計測工学
- 機械実験II
このあたりになると内容もより専門的になってきて、大学って感じがする。再履修を多く持つ人は40単位/セメスターとかになって、このころから廃人化してくる。徹夜でレポートを仕上げる人もちらほら。
ものづくり実習
最大の山場。グループを組んで与えられたテーマに沿って装置を制作する。部品の注文、強度計算、製作、プレゼンとものづくりの一通りのプロセスを学ぶ。コミュ力()の有無がとても重要になってくる授業だが、本学部の傾向ではおとなしめの人が多く、作業に難航する班も。
制御工学
ひたすら数学。制御パラメータを決める時に試行錯誤的ではなく、論理的に決めていくその姿勢がとても好き。ラプラス変換、ボード線図、ナイキスト曲線、フィードバック制御、オブザーバー、サーボ系など。
機械材料
材料は覚える用語が多くて苦手だった。素材ごとの特徴や、用語の意味を問う問題がテストに出た。
機械実験II
お遍路のように週ごとに研究室を巡りながら出されたお題に答える授業。実験によって難易度やかかる時間が違うこと、優秀なレポートは回されることは全学部共通だと思う。ちなみに一回でも欠席すると単位を落とす。
四年次(研究室配属)
- MATLAB
- 卒論執筆
四年になるともう必修の授業はほとんどなく、ずっと研究室にこもっていた。尤も僕の所属していたところは、研究内容と学生の主体性を重んじる雰囲気が原因で、拘束時間も多くなくのびのびと過ごすことが出来た。
MATLAB
行列計算に特化したスーパープログラミング言語。なにがすごいってサイズが100×100の行列でも一瞬で逆行列が求まったりするところ。C言語に見受けられる冒頭の不思議な呪文や、ポインタなど一切なし。ごり押しでも走っちゃうところがいい。legomindstromsやArduinoとも連携できるらしいけど調べてない。
番外編(大学院時代)
最後に番外編として僕の大学院生活を紹介します。
C++
やっぱりCを勉強した方が良いかなと思い勉強することにした。topcoderの特集記事を読んで興味が沸いたので、C++で過去問を解いたりしていた。四月頃に就活が本格化してからはお休み状態。もう就活も終わったので再開しようかな。
topcoderブログ↓
僕は君たちにコードを晒したい。
凸最適化
凸凹でない領域を凸領域と言い、その領域内で評価関数を最大/最小にする数値を見つけるための計算。いろんな計算手法があって調べるほど奥が深いことがわかる。この前図書館で借りた本に、計算手法を体系的に書かれていてとても役に立った。
朝倉書店
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マイコン
Arduinoというマイコンを使って工作をしている。手のひらサイズのこの装置には無限大の可能性が秘められている。ブレットボートとつないでLEDやモータを動かす。Processingというプログラミング言語と併用すればPC上で視覚的なアウトプットが楽しめる。そのうち簡単なロボットを作りたいな。
コップの水がこぼれない車載テーブルをarduinoで.wmv - YouTube
読書
最近になって読む量が増えた。書評を書くスピードも上がった気がする。お金が掛かりすぎるのでしばらくはブックオフの百円文庫で我慢しよう。
おわりに
意外といろいろやっていたことに気付いた。でもまだまだ勉強したいことがある。Excelのマクロもマスターしたいし、幕末辺りの歴史も覚えたい。有機化合物の図をノートに書き綴りたいし、カリグラフィーも興味がある。あと半年でどれだけできるか分からないけどとりあえずやってみよう。
※だいたいの専門科目は科目名の後にIとかIIが付いていて、IIで発展的な内容をやることが多い。スライムの色が変わってまた出てきたような感覚だ。