秋の夜長は読書とブログ
驚異の縮小プロセス (ハヤカワ文庫 SF (593)―宇宙英雄ローダン・シリーズ 107)
惑星ホラーの秘密兵器、ポテンシャル凝縮装置によって千分の一サイズに縮小されてしまったローダン一行。兵器を破壊するため保管している基地に向かうも、全長十キロメートルだった基地は相対的に地球以上のスケールになってしまった。果たしてテラ(地球人)に勝機はあるのか?
ありんこ以下になった気持ちで読みたい。
未だにプロセスは分からず/雑感
副題が「驚異の縮小プロセス」だったので、やっと凝縮装置の仕組みがわかるかと思ったらまだまだ登場しなかった。この巻は前半は小ちゃくなったローダンたち十五人がひたすら頑張る話で、後半はテラに残された味方が異星人と戦う話。
二面というか、二方向というか、「いっぽうそのころ」が使えるストーリーは強いと思う。この作品の主人公はローダンだけど、ローダンが全く出てこない話もある。それでも、個性的なキャラの演技(?)のおかげで読むスピードが全然落ちない。
シリーズ物の書評は書きづらいことに気づいた。やっていくうちに書くことがなくなっていく。終いにはあらすじ紹介だけにとどまりそうで怖くなってしまう。現に宇宙英雄ローダンの感想を検索してみると、多くの人が、あらすじ紹介とさいごに感想がちょこっとあるだけだったりする。「それは書評じゃないよな」と僕は頑張って文字を絞り出そうとしているけど、それは正解なのかな。
ちょっとお話を整理しよう。
さて、アンドロメダ篇も8巻目になってきて話が込み入って来た。ここらで状況を整理しておきたい。銀河のどっかの不思議な惑星の連なりを地球人は発見する。それは見事な六角形の陣形を組んだ惑星たちで、近寄ってみるとどっかにワープしてしまった。そこは銀河からめっちゃ離れたアンドロメダのツイン星。どうやって帰ろうかと迷っていたら、ワープして来た敵を撃退する装置が惑星レベルで作動して、ローダンたちは大ダメージを負った。
いくつか周辺の惑星を探索し、ワープ装置の設定も終わり、無事に帰れると思ったら、何者かの仕業で今度は別のアンドロメダ系列の惑星ホラーにワープしてしまった。マトリョーシカ的構造の惑星の中心に降りたったが、ここでも知恵と勇気を振り絞ってなんとか地表へと出る。しかしここで最後の罠が発動。
ちっさくなっちゃった!
というわけ。
画像で説明する。
カハロというのは今回出て来た惑星で、ワープ装置の調整を行える六角形ピラミッドを有するところだ。今回はここで異星人と地球人が対決する。
あと、ワープはいろんなところへできるみたい。六角形惑星←→ツイン星でも、ホラー←→ツイン星でも。カハロにあるピラミッドでもワープはできて、敵はそこから出て来た。彼らはいったいどこから来たのか。
おわりに
小さくなったローダンは結局基地の爆破を試みたが結局失敗して、仲間の救援を待つことにした。
「え?終わり?」
バッドエンドもどきだと続きを読むのが不安になってくる。
本の裏の発行年を見てみたら昭和六十一年だった。僕よりもこの本は年上だったのか。いったい何人の人の手に渡って来たのだろう。表紙がきれいだから意外と一人かもしれない。
おわり。
驚異の縮小プロセス (ハヤカワ文庫 SF (593)―宇宙英雄ローダン・シリーズ 107)
- 作者: H・G・エーヴェルス,クルト・マール,松谷健二
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1985/01
- メディア: 文庫
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