マトリョーシカ的日常

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【書評】炎上しないブログの書き方を大学教授から学ぶ/「レポートの組み立て方」

この本はレポートのHow to本。

http://instagram.com/p/etsaDehBAc/


レポートの組み立て方 (ちくま学芸文庫)

 この本は文科系大学生を対象にした研究レポートの書き方を記している。テーマの決め方、資料の集め方、文章の書き方など。引用の書き方など細かい約束事も載っているので、これ一冊を読めばレポートが書けるようになるだろう。

 しかし僕は理系大学生で、この本の知識を100%活用することはできない。理系大学生のためのレポートの書き方は著者の別の本である「理科系の作文技術」を参考にするとして、今回はこの本を別の視点から見てみようと思う。タイトルにある通り、炎上しないブログの書き方を考えてみよう。


 理科系の作文技術 (中公新書 (624))



レポートとブログの違い

 そもそもレポートとブログとの違いはなんだろう。本文中の言葉を借りるなら、レポートは特定の読み手へ向けて、事実と根拠に基づいて客観的な情報を書くものである。その視点から考えると、ブログは不特定多数の読み手へ主観的な情報を書くものとなる。想定する読者と文章の中身をそれぞれx軸y軸にとれば、レポートとブログというのは正反対の位置にあることが分かるだろう。

 それではレポートとブログは全く違うものだろうか。僕はそうは思わない。どんな文章にも適応される法則や原理があるはずだ。どれも言葉の集合体なのだから。

 そういう経緯で「レポートの組み立て方」から、ブログを書く際にも使えるヒントがないかと探しながら読んでみた。炎上という要素を付け加えたのはタイトルの見栄えとPV稼ぎのため。申し訳ない。

炎上の定義

 今回説明する炎上の定義を先に述べておく。ここではwikipediaの内容を拝借することとする。

炎上 (ネット用語) - Wikipedia炎上 (ネット用語) - Wikipedia

炎上(えんじょう英: Flaming)とは、なんらかの不祥事をきっかけに爆発的に注目を集める事態または、状況を差す。またこのような状態を祭りとも呼ぶ。

 ここ要点は二点ある。まず不祥事、つまり当事者が予期していなかった出来事が原因ということ。もう一点はそれによって爆発的、加速度的にレスポンスが返ってくることである。この二点を満たさなければ炎上にはならない。巷では炎上を利用して、利益を高める方法があるらしいが、僕は炎上は避けたいと思っている。それによって増えた読者、顧客は必ずしもコンテンツを評価したわけではないからだ。そういった人はすぐに来なくなってしまう。

 前置きが長くなったが、次からはブログが炎上する理由を挙げてみる。

炎上する理由1:事実と意見を区別していない

 本書の中で著者はアメリカの国語の教科書を読んで衝撃を受けたと書いている。小学校四年の教科書にして事実と意見の違いを教えていたからだ。著者は日本は文章の書き方などを教える言語技術教育がアメリカに比べて普及していないこと、これからの情報化社会ではそのような教育が必要だということ書いている。現に今は情報化社会、だれもがネット上で考えを表明できる社会になってきている。

 事実と意見を区別することがなぜ重要なのか。

(前略)
 しかし、レポートや学術論文の中では、この種の<考え(意見)>と<事実>とのスリカエは許されない。その結果として不当な結論が導きだされかねないからだ。

 不当な結論は炎上の主要な燃料である。「その論理はおかしい」「こいつ頭悪い」というコメントがつく。また意見と事実を書き分けないと、本人の意見ではないのに「あなたの考えは間違っている」という返事がくる。読み手が事実をあなたの意見だと勘違いする可能性が高まるのだ。

 これを防ぐには意見と事実をしっかり書き分けるとしか言いようがない。

炎上する理由2:文章が読者に伝わっていない、または誤解されている

 理由1と類似して、文章そのものが読者に正しく伝わっていないという理由が挙げられる。書いた文章が小難しかったり、どこまでが主語なのか分からなかったり、文の組み方がバラバラだったり。筆者はレポートの文章は明快、明確、簡潔に書くように勧めている。これはブログにもあてはまる。明快、明確、簡潔な文章なら炎上する可能性もすくなくなるはずだ。

 明快とは論理の流れが自然で、文中のことば同士の対応がきちんとしていること。明確とはぼかす言葉を使わず言い切ること。簡潔とは余計な表現、文章を加えないことである。

 難しいと思ったら一文を短く書くことを意識して欲しい。短く言い切る。長い文は二つに分ける。それだけでも全然違う。


炎上する理由3:ソースを明示していない

 これはわかりやすいと思う。それが事実と書かれていようが引用元、ソースがないと判断のしようがない。本書の中には引用の書き方が詳しく載っているが、ブログなら脚注程度で済む。はてな記法の中には脚注を書けるものが入っているのでぜひ使ってみて欲しい。
 脚注をつける(脚注記法) - はてなダイアリーのヘルプ

おわりに

 結局、炎上しないブログを書くにはどうすれば良いか。ひと言でまとめると「読み手の立場になって書く」ということに尽きる。相手に分かりやすい、誤解を与えない、真摯な態度で記事を執筆すればきっと炎上は起こらない。


 いつものように、あとになるにつれて文量が少なくなった。もっと文章力をつけないとな。