マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

【書評】くらえひっさつ/「蟹工船」

底辺の乗組員が船長に成り上がる話ではなかった

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蟹工船 一九二八・三・一五 (岩波文庫)


 前に話題となったがむつかしそうだったので読まなかった。でも、サクセスストーリーを期待していた。なぜだろう。山育ちの僕にとって蟹は縁の遠いいきものであって、彼と対峙したのは修学旅行の旅館くらいだ。そうやって現実の蟹と向き合ってこなかったから、期待しすぎてしまうのだ。何を言ってるんだ僕は。

 とにかく汚い話だ。のみやしらみやあかという単語がたくさんたくさん出てくる。塩と酒とよどんだ空気がページをめくるたびに鼻をつついてくる。うわぁと思う。だけど読んでしまう。共産主義やら革命やらはなんの興味もないけど、実家からの仕送りや手紙が送られてくるシーンには心にじんわりくる。いつになってもどこにいても暖かみはあるのだなと。

 どうでも良い話だけど、今日からはてなブログの月別記事の欄がすこし変わった。年ごとにツリー表示される。全ての記事件数の計算も簡単になった。689件。「良く書いたなぁ」というよりも「これだけ書いたのになぜまだ有名ブロガーになれないのか」という思いの方が強い。

 どれだけ続ければいいのだろう。もう梅雨入りだ。