人間は内に「照明」を含んでいるというのも、おのずからに世界=内=存在として明けられている——すなわち、なにかの存在者によってではなく、みずからその明るみ(Lichtung)を存在するというありさまで——ということなのである。
ちくま学芸文庫「存在と時間(上)」p289
存在と時間は五章で内=存在の話をしはじめるが、今の私にはそんなことどうだっていい。現存在がおのずから発光しようが発熱しようが発電しようが、それによって何億人ものひとびとが息を吹き返したとしても、わたしの中の一段の靄が飲み込んでしまうよ。
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