一つ前は何について書いていたのか。ダムナーティオ・メモリアエの苦しみを味わった私は、現在睡魔と闘っている。部屋は丁寧に梱包されている段ボールの中のようで、淡々とした空気が流れている。この一週間はいろいろあったようで、何もなかった気もする。生活環境はそのまま、私の気持ちだけ一マイル先へ行ってしまったような。要は仕事に気を向けすぎたのだ。モノと向き合うことからヒトと向き合うようになって数ヶ月。私はすっかり目標を見失ってしまった。一体何をすればゴールなのか。探していたものはどこにあるのか。答えは自分の中にしかないのに、書店で並んでいる本に手を伸ばしていた。ああいうハードカバーの群れはそんな人たちのために用意されているのか。
体勢を整える必要があるのでコーヒーを入れる。先日、近くにコーヒー豆を売っている店を見つけた。こじんまりとした店内に焙煎された豆がケーキのように並んでいた。キリマンジャロブレンドを100gだけ買った。豆を挽いてドリップしてみると、気持ちよいくらいこんもりとした泡ができた。そうか、amazonで買っていたのは鮮度が悪かったのだな。気分がよくなった。香り高く、味も悪くない。値段は張ったが仕方がないことだ。
写真のナポリタンは先週作ったものだ。冷蔵庫の野菜を適当に炒めてケチャップと砂糖で味をつけ、茹ですぎたパスタを投入してさらに火を入れる。パスタというより焼きそばに近い。焦げ目がつくくらい炒めたら皿に豪快に盛る。半熟の目玉焼きをのせれば幸せが訪れる。このナポリタンという料理は、信じられないくらいコーヒーと合う。パスタ単体で食べると油分が多く、腹に負担がかかりやすいが、コーヒーはその油を溶かしてくる作用があるらしい。さらに、ケチャップの甘しょっぱい味をコーヒーの苦味が中和してくれる。するすると食が進む。
ルパン三世のカリオストロの城の中で、ルパンと次元がナポリタンを食っているシーンがあって「ああ、うまそうだな」と思っていた子どもの頃。それが私に今日のナポリタンブームを巻き起こしているに違いない。でもこの前再放送を観たら、彼らはナポリタンを取り合ってるだけで実際に食っているシーンはほとんどなかった。記憶なんてそんなものだ。
距離をとらなくてはならない。何事もそうだ。完璧な上司などといったものは存在しない。完璧な絶望が存在しないようにね。仕事と家庭と趣味、それらから等しく離れてちょどいい具合をキープしたい。今は仕事から離れよう。土日を挟めば何かが変わっているかもしれないし、新しいものが見えてくるかもしれない。今日は行くけど。
- 作者: 村上春樹
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