先日、Ogaki Mini Maker Faire の帰りに、名古屋駅に寄った。新幹線の乗り継ぎのためであったが、ふと小倉トーストが食べたくなった。小倉トーストとは間にあんこが挟んであるトーストのことだ。甘いものが好きな僕は、いつかは食べてみたいなあと思っていたのだ。
その珈琲店は地下にあった。Google Mapの二次元的な位置表示のせいで、ぼくはてっきりヤマダ電機の中にあるのかと勘違いしていた。地下街はきれいでいくつもの店が並んでいた。通りをしばらくいくと、行列が出来ている店があった。コメダ珈琲だ。お一人様のパワーによって、周囲を追い抜き一番で店に案内された。喫煙席だったがかまわなかった。さっさと注文をすませよう。ブレンド珈琲と小倉トースト。
しばらくすると、あんこがぎっしりつまったトーストと、厚手のマグカップに注がれた珈琲、豆菓子がでてきた。コーヒーの脇にはミルクがちょこんと佇んでいる。「頻繁に食ってたら、糖分過多で死ぬんじゃないか」と、名古屋市民の健康を気にかけた。
うまい。とてもうまい。珈琲は今時の香りが決まっているオシャレ珈琲とは対極をなすそれだった。控えめな香ばしさの後に、落ち着いた苦味がやってきた。カップはこのように、重めのほうがしっくりくるのかもしれない。小倉トーストはどこまでいっても小倉トーストだった。あんこでおなかが一杯になった。二人でひとつ注文すればちょうどいいかもしれない。
しばらくの間『饗宴』を読んだ。右隣のじいさんは新聞と馬券をにらめっこしていた。左隣のカップルは終始イチャついていた。
そうして帰った。あの豆菓子はまだ食べていない。
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