眠たげな脳髄を揺り動かして出てくる言葉は半分は真実で、もう半分は虚無である。そういえば、今日の帰りの電車は乗客が多く、みなどこかへ帰ろうとしていた。三月は一息ですぎていき、じきに新年度が始まるのだ。そうはいっても、私にとっては平凡な週明けでしかなく、業務の明確な区切りを持てずにいる。持て余した左手は一瞬缶コーヒーにてをかけて、やめた。やめた。
やっと「生きのびるためのデザイン」を読み終えた。長い時間をかけて読みきったせいで、はじめの方は忘れてしまった。ただ、デザインとは問題を解決することである、ということはよく覚えている。これは私が気にやっているデザインの範疇ではなかった。ただ単純に色や形をきれいにみせることではなく、作業や行動や思想の適切なありようをさぐる行為であった。ここで具体例を出せないのがつらいことだが、すべての景色には理由があり、生命はその時間と淘汰によって洗練されたそれが生じる。私たちもそうだ。
なにを書いているのかわからなくなった。深夜の文章というのはえてしてそういうものである。読み手の立場になってペンをとりましょうとか、それは無理な相談である。着地点もわからず言葉をつむいでいく様が好きなのであり、私は「生きているなぁ」と感じることができるのだ。やりがいに似た雰囲気がおしよせてくる。
どちらの学者も絶滅の原因を見つけようとした。そして、どちらの学者も独自に同じ原因を見つけた。絶滅は専門化ないし分化のゆきすぎの結果だというのである。
「いきのびるためのデザイン」 p235
本を読み終える頃になってやっと「いきのびるためのデザイン」というのがどういうことか分かってきた。人類に深くねざすデザインとか、時の試練を生き残った良いデザインの話ではなかった。人間が生き残るためにはデザインという行為が必要だ、ということだった。デザインは頭をつかうことである。あらゆる問題に対応することである。よさを追求することである。考えるのをやめたとき、人間は人間でなくなってしまうだろう。いろんな演算や作業を機械にさせるのは構わない。しかし、デザインそのものは人間がやることであって、デザインをしない人類には絶滅の道しか残っていない。そんな話だ。知らんけど。
余談
タイトル。みなさんはボールネジとかリニアガイドという言葉を聞いたことがあるだろうか。どちらも機械の動作の根元をなすパーツであって、特に工作機械にはかかせない部品である。こんなの↓
IKO リニアウェイL 標準形 スライドユニット LWLC7C1BHS1
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ぜひ生き延びてほしい。
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