1.
暑い一日だった。今週に入ってから、屋外での作業が増えたため、昼飯前には全身から汗が噴き出していた。奇妙な高揚感と達成感はあるが、それはそれでこれはこれ。設定している目標値からブレないように、日々を生きたい。
2.
反哲学入門を読んだ。約一年ぶりだった。あの時の記事は書評カテゴリで初めてホッテントリ入りした記事だったので、印象に残っている。「もう一年経ったのか」という想いと、「まだ一年しか経っていないのか」という想いが交互に顔を出している。
3.
読み直してみると、理解できる箇所が増えていた。この一年で、プラトンやデカルト、アリストテレスの本はざっくりと読んだからかもしれない。一周回ってもう一度向かい合ってみると、著者は本当に多くのことを語っていたことに気づかされた。僕はそのほとんどをまだ知らないし、これからも全てを認識することは無理だろう。それでも、扱える武器が増えていく感覚は大事に持っておきたい。
4.
仕事を行う上で重要なことは、諸条件をいかに決めるかである。大まかな理論値は存在するが、刻々と変わる環境によってそれらの意味は無に帰す。それゆえ、諸条件の設定は各人の経験によるところが大きい。経験則。経験なんて言葉を使われては、新人の僕には手の出しようがない。
5.
桜木花道のディフェンスに欠けているのは経験である。彼はそれをあまりある運動能力でカバーした。全身バネによって二度のジャンプが可能となり、瞬時に身を切り替えることが出来る。
6.
経験の欠落には、基礎能力で補う方法と、思考で補う方法がある。能力の劣る人は頭で考えることを勧めたい。そうすれば一対一対応の「経験」になにがしかの法則が働いていることに気がつくはずである。経験者はそれを言葉にしないし、する必要もない。しかし、僕やあなたにはそれをせねばならない。
7.
根源的な何かをみつめるとき、天津飯は第三の眼を使う。それは心の眼、魂の眼である。我々人類にも、第三の眼は存在する。それが心の眼であり、魂の眼である。それを利用すればこの世にあまねく法則を理解することなどたやすいことである。
そうだね?
そのとおり。
8.
いわば、目の前にある物はイデアの模造にすぎず、人間が感じ取れる世界は、真に存在する世界であるイデア界の似姿に過ぎない。なにが真に存在する本物かという価値判断の基準をまったく逆転させたところに、プラトンの独創があるわけです。
9.
仕事にイデアが存在するのかどうかは怪しいところだ。しかし、それに肉薄した事実はあるはずだ。毎度毎度、細々とした作業内容をメモするのではなく、「何がしたいか」「何を求められているか」を質問し、理解して心のノートに書き込もう。
- 作者: 木田元
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