読む、書く、つくるさえできれば、何も考えなくても経験値はたまるし成長できるし気分がいい。
社会人は時間がない。予想はしていたけれど、ここまで時間がないとは思わなかった。そりゃそうか。一日の三分の一が労働になるのだから。逆に、学生時代どれほど自分が怠けていたのかよくわかる。
本を読む時間がない。空きコマに木陰で文庫本を開いては閉じをすることはもうできない。文章を書く時間がない。下書きをして消し、また下書きをし、少しずつ文章をしたためるなんてこともできない。ものを作る時間がない。半日使って回路とコードを考えながらだらだらと電子工作をする暇もない。
そうやって平日にたまったフラストレーションのせいで、休日の「やることリスト」がどんどん増える。あれもしたい、これもしたい、みんなしたいもっともっと。結果として全部やりきれることはないし、不思議と平日よりも疲労がたまる。全然、身体が休んでないじゃん。
しかし、もう就職してしまったため、人生を大きく変えるイベントはもうほとんどない。ダラダラしていたら五年や一〇年があっという間に過ぎていく気がして怖い。自分磨き!なんて言うと意識高い人と思われそうで嫌だが、ひたすら経験値を貯めていたい衝動にかられる。
要は成果物が欲しいのだ。圧倒的な量の成果物が。「僕はこれだけやりましたよ!」という証拠を両手で持って空に掲げたい。報酬は後からやってくるだろう。そのために、今は「読む、書く、つくる」を徹底的に行う。
そうやって、ストイックもどきの姿勢で脳みその傾きをやや変える生活が続いた。ささやかではあるが、収穫もあった。金銭の収入もあるが、それ以上に飢えるようになった。食べれば食べるほど空腹になるような、おかしなハングリー。
形にすればするほど、こなすほど、もっとやらなきゃだめじゃん、と思うようになった。いいのか悪いのか分からないがそういうことだ。
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