はじめに
さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)
「あのお店、全然お客さんが来ていないのにどうして営業できるんだろう」
「実質無料ってなに?普通の無料と何が違うの?」
こんな疑問をもったことはないだろうか。カネは天下の回りものとはよく言ったもので、いまの世の中ではお金に関わらない人間はいない。
本書では日常に見受けられる疑問を会計学を用いて分かりやすく説明している。まさに、『身近な疑問からはじめる会計学』だ。さおだけ屋が潰れない理由や、ベッドタウンに位置する高級フランス料理店が利益を保つ秘訣など。面白そうなところを拾い読みしても楽しい。「難しいところは読み飛ばして」いきましょう!
レイヤー
高校生の夜神月(やがみ ライト)は、ある日、通っている高校の敷地内で奇妙な黒いノートを拾う。それは死神・リュークが落とした、ノートに名前を書かれた人間が死ぬデスノートだった。
DEATH NOTE - Wikipedia
漫画『デスノート』には死神が登場する。彼を見ることができるのは、手帳を触れたものだけだ。このように漫画や小説では「何らかのきっかけによって見えなかったものが見えるようになる」という設定がよくある。そしてこれはフィクション上だけではなく、現実の世界でも起こりうる。
レイヤーという概念を取り入れるならば、死神のレイヤーを手に入れるには死神の手帳が必要だ。これはなかなか難しいものがある。しかし、それに比べると会計のレイヤーはずっと簡単に手に入る。
会計のレイヤーを手に入れるためには複雑な計算や知識は必要ない。足し算、引き算、掛け割り算が電卓でできればいいだけだ。著者は単位量あたりいくらかを算出し、それぞれを比較するのが良いと書いている。ひとつでいくらか、他と比べてどうか。こんなことは割合やグラフの内容だ。小学五年生の知識で解くことが出来る。
例えば、本の中では「50人に一人が無料」は「2%割引」と同義であると書かれている。なるほど、前者だけを見ると「お得!」と感じてしまうが、数字をよくよく見るとたったの2%割引だ。また、シェフのおすすめや開店セールは在庫を処分したいときによく使われる手法だという。
「どうすれば物事を的確にとらえることができるようになるのか?」ということにチャレンジしているのが「会計」という学問なのです。
物事を的確にとらえる上で大切なのは頭脳ではない。注意深さだ。
注意深くなる——それがいちばん大事なことよ。心を落ちつけて、いろんなものごとに注意深く耳を済ませること
(村上春樹 『スプートニクの恋人』より)
おわりに
日常の疑問を少しだけ深く掘り下げてみる。それが会計学の理解を深めることに役に立つはず。僕も実践してみよう。
利益を出す方法やシステムの作り方について知りたい人はこちらの本をおすすめする。
そろそろ会社辞めようかなと思っている人に、一人でも食べていける知識をシェアしようじゃないか
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さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学 (光文社新書)
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