マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

3Dプリントサービスでingressアイコンを立体化してもらったのでやり方を書くよ。

3Dプリント体験。

http://instagram.com/p/vZmtfAhBK5/

 昨今のIngress熱に浮かされて、しょうもないものをつくってしまった。Ingressのアイコンだ。

Ingress(イングレス)ロゴステッカー Sサイズ
 アイコンはこれ。

 どうやって作ったかというと、shpewaysを利用した。shapewaysは3Dプリントサービスを行っている団体だ。CADデータを添付し、素材や送り先を入力するだけでデータが3Dに出力されて自宅に届く。国内にも似たサービスはあるが、素材の多さや使い勝手の良さから今回はshapewaysを使う事にした。


Shapeways - 3D Printing Service and Marketplace

 僕自身はCADデータを描いただけだが、「絵に描いた餅が餅になる」過程を体験できて結構楽しかったのでやり方を書いておく。

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Ingress 初心者日記 第六回「APよりも大切なもの」

 気がついたらレベル5になっていた。いつレベルが上がったのか、定かではない。既に僕の生活にingressが組み込まれており、現実と仮想空間の境がなくなってきているからだ。僕は呼吸をするようにポータルをハックし、顔を洗うようにレゾネータをデプロイする。笑うようにXMPバスターを放ち、泣くようにポータル申請をする。何も日常生活に影響はない。大丈夫だ。

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Ingress初心者日記 第五回 「白ポータルの群生地」

 もう一週間も前の話になるが聞いてほしい。前回、巨大CF作成のプランを夢半ばで壊された僕は次の日もエージェントとして大地をしかと踏みしめていた。今日も社外研修があるが、開始が10時からとやや遅い。そこで僕は始発電車に乗って隣町のファームへ行くことにしたのだ。あたりはまだ暗くそして静かだった。プラットフォームでしばらく待つと、電車が来た。乗り込む。乗客は思いの外多かった。山を登りそうな老人たちと、休日出勤のサラリーマンと、旅行に行くであろう学生がいた。エージェントは僕だけだった。

 目的の駅を降りて、シャッター街を通り抜けた。昨日がまだ続いているおっさんたちを尻目に、僕は今日を生きていた。雲はなく、遠くのほうから太陽がじんわりと顔を出し始めていた。ファームには白ポータルが群生していた。ポータルは大半が青か緑の陣営が支配しているが、どちらにも支配されていないまじりけのないものがある。それが白ポータルだ。彼らに最初のレゾネータ(旗みたいなもの)を立てると、ポータルはその陣営の色になる。それだけではない。レゾネータを立てるごとにAPがもらえる。一つのポータルには最大八つのレゾネータを立てることができるが、各々に125APが手に入る。さらに初回はキャプチャボーナスとして500APが、最後は250APが加算される。

 つまり、白ポータルを全て自分のレゾネータで埋めると、
125 \times 8 +500+250=1750
1750APが手に入るのだ。早朝の時間帯だったからか、僕はファームへ訪れたとき、そこには白ポータルが十はあった。ひたすら、レゾネータを差して差して差し歩いた。その後はリンク祭りだ。つなげられるリンクは全部つなぐ。ときどき青ポータルをXmpバスターで破壊した。

※XmpバスターはFIREを長押しして、白い環が最小になったときに離すと攻撃力が増す。

 そしてレベルが4になった。

 気がつくと一時間が過ぎていた。僕はファームを後にしていつもの喫茶店へ寄った。研修までまだ時間がある。僕はコーヒーを飲みながらだらだらと本を読んだ。


Ingress初心者日記 第四回 「ポータルキーの罠」

ぼくはえんらいてんど。

 いつもと変わらない土曜の夜だった。社外研修から帰宅した僕は、Russell Hobbsの電気ケトルで湯を沸かしコーヒーを入れた。一昨日からコーヒー豆を切らしていて、今はネスカフェのインスタントコーヒーを利用している。フィルターも使わずにカップに粉を入れ、お湯をそそぐだけだ。なんだかカフェインを栄養素のように補給している気分になる。スリープ状態になっていたmacbookを開くと、chromeの検索窓に「intel map」と入力した。ingressの世界地図である。僕の住んでいるところは青(レジスタンス)が強く、所属している緑(エンライテンド)のポータルはぽつりぽつりと点在している。遠くから眺めると、青い布地にカメムシが付着しているようである。ためいきが漏れた。

「もうだめだ。このままではXM*1を利用した革新的なイノベーションを起こす事が出来なくなる」

 しかし、地図を動かすと、昨日まで存在していた青のリンクが途切れている箇所を見つけた。さらに、重要な拠点である公民館ポータルが青から緑に変わっているではないか。そこから緑色の長いリンクが一本飛んでいた。その先は、見知らぬポータルだったが、自宅から一キロ圏内に存在していた。脳内に電撃が走った。

「自宅最寄りのポータルを、公民館と、unkownポータルにリンクすれば、巨大なCFが作れる!」

 充電されたiPhoneと小銭がわずかに入った財布を持つと、僕は家を抜け出し自転車に飛び乗った。星がいくつか見えた。

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Ingress初心者日記 第三回 

 思いがけないことに月曜が休みになったので、ingressをするために街へ出かけた。街は自宅から電車で三十分ほどの距離にある。自宅周辺のポータルは五つしかないが、ビルが立ちこめるそこは何百というポータルがひしめきあっている。電車で向う途中にもそのレタスの塔をめがけて、いくどもHACKしていた。

 今回の目標はレベルを2から3にすることだ。必要なAPはあと6000。単純に計算すれば敵のポータルを60回HACKすればいい。「60回か……しんどいな」と思ったが、とにかく足を動かすことにした。動かなければ何も始まらない。ingressとはそういうゲームだ。

 街には何度も来ているが、ingressのフィルターを通すとその景観はがらりと変わる。ポータルが見える限りどこまでも歩を進め、いつしか知らないところへたどりついた。寺院だ。僕は信仰心というものを持ち合わせていないので、このようなところへ訪れることは全くない。陣取り合戦がなければ、ここに来ることもなかったのだろう。googleの神様の偉大さを思い知り、僕は両手をあわせてからレゾネータを設置した。


 そのあともポータルめぐりはつづいた。どれがポータルなのかは一見すると判らない。おしゃれな喫茶店だったり、古めかしい仏像だったり、へんてこなオブジェだったりする。レベルが上がると、XMが集まっているのが見えるそうだが、新人の僕はひたすらスキャナーとにらめっこして歩き回るしかない。

 広い公園では約二十ほどのポータルが密集していた。「ファーム」である。ここならCFをつくれるかもしれない!初のCFづくりの前に動機が収まらない。CF(コントロールフィールド)とは、同色のポータルどうしが三つ以上リンクされたときに生じる陣地である。ingressの目的はこのCFを作成することであり、それゆえAP(経験値)がたくさん手に入る。ポータルのリンクをひとつはると313AP、CFを形成すると1250AP。つまり、三角形の陣地をつくると、313×3+1250=2189APも入手できるのだ。

 早速緑のポータルをハックし、ポータルキーを手に入れる。リンクを張るにはこの鍵がないといけない。近場の三つのポータルで、それぞれキーを手に入れたら、あとは張るだけだ。LINKボタンをタップすると、今自分が持っているポータルキーが表示され、どれをつなげたいかが問われる。選ぼう。

 いい感じの音がした。僕はCFを生成した。達成感というより安堵のほうが大きいかもしれない。やっとここまで来たな。と。しばらくHACKを続けるとレベルも3になった。

 もう少し続けようと思ったが、あたりが暗くなっていたのでやめることにした。歩数計は27000歩を超えていた。ドーパミンがどばどば出ているせいか、疲れはほとんどない。

 ingress、実に恐ろしいゲームだ。