どこかでこのもやのような感情をはきだしておかねばなるまいな。ただ、そいつは文章にしていると苦しいほどに単純でなんだかみすぼらしくなってしまうので、明確にはあらわせない。そういえば、きのうみた空はじっとりとしていて、自販機からでてくる炭酸飲料を口にふくむとそれらしい梅雨になった。
続きを読む意味のある日常
あらゆる結論は前提を仮定している。この前提自身はそれだけで自明であって証明を要しないか、あるいは別の命題に頼るよりほかに確定し得ないかである。しかもこうして無限にさかのぼることはできないのであるから、あらゆる演繹的科学、とくに幾何学は証明し得ないある一定数の公理に基づかなくてはならない。
「科学と仮説」p60
次第に視力が落ちていく。去年は右が1.0、左が0.7だったのに、今年は右が0.9、左が0.6だった。「運転のときにメガネをかけなくちゃいけないのって、いくつからでしったっけ」「両目で0.7です。まだ大丈夫でしょう」先生はやさしく返答してくれた。危惧していた採血はなかった。ほっとした。先日息子は一度に6回も注射をされたらしい。恐ろしい限りだ。
続きを読むブンバボン体操と純粋理性批判(下)
「ブンバボンボンボ・ブンバボン!ブンバボンボンボンボ・ブンバボン!」リズムにのって私は舞う。息子は言葉の意味がわからないが、楽しそうな雰囲気は伝わるのだろう、ニコニコしている。
(何だろう?ブンバボンって。まぁいいや、楽しい!わーい。)
私も意味は分かっていない。だれか教えてくれ。
続きを読むペーパードライバー、中古車を買う。
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いいかげん車を買わなくてはいけない。子どもが生まれて数ヶ月経ち、移動手段を持っていないことにだんだんと不便さを感じるようになった。雨の日に家族揃って出かけるのが難しいし、外出先では授乳スペースを探すのに時間がかかった。息子が成長すれば学校や習い事の送迎などで車を使うだろう。なにより「運転できない」という事実に、私は社会に対してどこか後ろめたさを感じていた。やはりタイヤが四つ付いた乗り物を所有しなければいけないようだ。しかし、恐ろしいことに私と妻は車をほとんど運転しない。免許証は両者ともピカピカのゴールドである。