マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

読書記録と雑記/ロバート・オッペンハイマー


 三泊四日のはずが、諸事情あって五泊六日の帰省となった。そのため非常にゆっくりとした年明けになっている。ちょうど一冊だけ本を読むことができたので、ここに記録をまとめる。

 「ロバート・オッペンハイマー」を読んだ。オッペンハイマーは理論物理学者であり、マンハッタン計画を主導し、原爆の父として知られている。ただ、彼も好き好んで原爆を開発したわけではなく、時代の流れというかうねりというか、どうしようもない圧力にされされていた。解説を読む限りでは、悪い人ではなく、むしろいい人だった。いい人すぎたんだと思う。

人間は想像力の欠如によって、容易にモンスターとなる。このことが他人事ではないという自覚から、私はオッペンハイマーという”モンスター”について、書き続けているのである。
p195 「ロバート・オッペンハイマー」 藤永茂 ちくま学芸文庫

 そうだね。技術者倫理として語っておきたい題材のような気がする。

 ただ、ロスアラモスで原爆をつくるぞってなったときのコミュニティ運営などはわくわくした。彼はコミュニティづくりには非常に長けていたのだろう。みんなが心地よい居場所をつくろとしていたし、みんな名前を覚えていて世話していた。あの雰囲気は技術者のslackコミュニティに近いものがあって読んでてたのしかった。

 1920年代の科学者がジャンジャン登場するあたりはわくわくする。ちょうど量子力学が誕生したあたりだった。アインシュタインやボーア、ゾンマーフェルトとか。オッペンハイマーはまだ学生で、もうちょっと歳をとっていたら原爆じゃなくてそっちのテーマで頭角を表していたに違いない。ともすると、生まれる時代によって運命は変わってしまうのだね。かなしい。

 年末にタモリさんが2023年について「新しい戦前になる」と言っていたらしい。「じゃあ、むかしの戦前はどうだったか」と気になりこの本を読んでいた。まだまだ多くの科学者が出ているはずなので、別の科学者視点から時代を感じ取るのも楽しいかもしれない。ノイマンにしようかな。

 自分が関わった技術で人が死んだらどうしよう、とか考えていた。わたしは倫理観をもってそれを止めることができるのだろうか、と。これはまたいつかの話。


Unsplash Caleb Jack