列車と並んで飛ぶあれの名前を知らずに鳥バードというしかない私たちの季節は春めいてきた。遠くの景色をみるようになり、朝が少しずつはやくなってきている。
つらいときもあったり、かなしいこともあるけど、まいにちの電車はおなじじかんにきていて、わたしはそれに乗る。システムの一部にくみこまれているようだ。
背骨がきりきり音を立てているけどそれにむきあう日々ではない。
朝、皆が起きる前にPCをそっと開く。そしてコードと向き合う。だいたいはエラーになっているが少しするとわかったり、わからなかったりする。それから家を出る。
コードが私を許しているような気さえする。
去年の八月よりはじめていた個人開発が、ようやく完成の兆しが見えてきた。先日本番環境へのデプロイが終了したのだ。まだ細々とした不具合があるので、完全な宣伝はできないが、それでも心が軽くなった。
自分の中にあった概念がなんらか形でネット上で表現された。実感としてはハード的なものづくりには遠く及ばない。が、インパクトは大きい。実存でものをつくろうとすると、マンパワーが必要になるが、ソフト開発は指先一つでなんとかなる。これはすごいことだ。
まだなにかしらの焦燥感というか飢餓感から抜け出すことができない。これ、一生無理かもしれない。それはそれとして折り合いをつけてやっていこう。
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