週末は書店の雑誌コーナーに足を運び、ブルータスやCasa、万年筆の本を立ち読みした。載っている写真は非常に魅力的で、僕は網膜から養分を摂取するようにじぃっと見つめる。ただの紙なのに美容室に行った後のような爽快な気分になる。しかし買わない。立ち読みで済んでしまうほど、文章が薄いからだ。
WIREDは違う。非常に文章が濃い。今回の特集は「死の未来」だったが、人は死んだらどうなるかを論じ次第に量子力学の話にもっていく。時代の考え方を「ものからことへ」と表現し、フレームワークが19世紀の古典物理から現代の量子力学に移行していることを述べている。量子コヒーレンスやもつれ、波動関数など一般ウケしないであろう話題をこれでもかと詰め込んでいる。読者にあわせる姿勢は全くない。「読者があわせろ」と言っているようだ。
他にもWWW(ワールドワイドウェブ)25周年や、新しい文章プラットフォームのMedium(以前、ICHIROYA id:yumejitsugen1さんが紹介していた 新しいブログのプラットフォームMediumの歩き方(初歩) - ICHIROYAのブログ)、Googleが開発している量子コンピュータや、NSAを告発したスノーデンの独占インタビュー等。もし、これが三ヶ月一回刊行ではなく、月刊だったら読み込むことができなかっただろう。次回から隔月刊行になるのは嬉しい誤算だ。
昨日はWIREDを読んで過ごしていた。まだ見ぬ未来がもうすぐそこまで来ている気がした。先日、日経新聞に未来予測の記事が載っていた。2020年には痛くない注射が出来て、2040年には宇宙エレベータが完成するらしい。遅い、遅すぎる。しかもスケールが狭い。空飛ぶ自動車はそろそろ出来てて欲しいし、ワープを利用した物流網もあったら嬉しい。ワイヤレス送電の技術があれば空はもっと広くなる。WIREDが予測する未来はぶっ飛んでいて、僕では表現できない何かがある。それはきっとゴロリも真っ青のワクワクさんなのだろう。
ページのデザインがオシャレなことも、WIREDの特徴だ。先進的な色使いなのにどこか落ち着いていて、シャープだ。全ては文章を読ませるためという姿勢が見受けられる。広告や写真の配置、どこに何を置くのも明確なルールが存在するかのように奇妙な統一感がある。そこから現れる感情は心地よいの一言。あまりにも良すぎて、読みながらニヤニヤ。「楽しそうだね」と言われた。
このブログももっと良いデザインにしたい。文章も濃いものを書きたい。単なる事実や二次データではなく自分の意見や感情を吐き出してそれをきれいにまとめあげたい。僕の中で何かが少しずつ変わってきている。月曜の朝。
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