カオスな土地、インド。
シンガポールからカルカッタへ移動する。やっと旅のスタート地点であるデリーが見えてくるも、インドのカオスな空気によって旅の様子は次第に変わっていく。もはやこれは単なる海外旅行記ではない。一種の戦争。
これがインドか。
ジョジョ第三部で一行がインドに訪れた際、バクシーシ、バクシーシと物乞いの嵐に襲われた。路上は貧困者が這いずり牛が歩き回り、行商が何か危ないものを売っている。呆然とする皆にインド出身のアブドゥルは自慢げにこう言う。
「これがインドですよ!」
沢木さんも似たような経験をしていた。カラスと路上生活者が共にゴミをあさっていたのだ。
日本では考えられないことが、海外では平気で起こっている。でもそれを可哀想とか異常だとか思うのは日本人の偏見なのではないか。インドではこれが普通なのだ。良いも悪いもないのだ。郷に入れば郷に従え、ではないけれど、違いを許容しないと海外では生きていけない。
日本寺での生活
カルカッタを出てとりあえずパトナ行の列車に乗った沢木さん。乗客と話をするうちにブッダガヤへ行くべきだというアドバイスをもらう。何でも、そこには日本寺があり無料で泊まれるそうなのだ。ブッダガヤの日本寺に行ってみると、カオスなカルカッタとは違う穏やかな雰囲気であり、読者である僕もほっとした。
生命の危機
ネパールのカトマンズに滞在している記録は当時日本へ送ったと思われる手紙をそのまま掲載している。この章だけ文体がですます調なのもそのためだ。カトマンズの生活は平和そのものだったようだが、降り続ける雨や今までの旅の疲れなどから、手紙の雰囲気は全体的に暗い。暗雲が立ちこめている。
そしてついにデリーへ向かう。しかし途中でトラブルに会い、一ルピー余分に支払うはめになってしまう。
私は自分の体と旅の歯車が壊れかけているということにもっと早く気づくべきだったのかもしれない。
余計なフラグ立てなくていいのに……。この後、沢木さんは病に倒れてしまい本巻の話はそこで終わる。
おわりに
インドはやっぱり怖い。カレーは食べたいし映画は観たいけどそれは日本でもできることだからなぁ。今回の書評は適当すぎる気がするが、書評に決まりなんてないのだから好き勝手に書こうと思う。
本日はここまで。