一難去ってまた一難。
アンドロメダの守護者 (ハヤカワ文庫 SF 573―宇宙英雄ローダン・シリーズ103)
ツイン星系の惑星クインタで転送機の制御装置を見つけたローダン一行。なんとか機器を設定し、故郷のテラへワープすることに。しかしその直前、何者かが機器の設定をいじりローダンたちはまた見知らぬところへワープさせられた。そこは入れ子構造に惑星が存在する、マトリョーシカ的惑星だった。
最も内側の惑星にワープさせられたローダンたちにいくつもの試練が襲いかかる。物語は空洞惑星編に突入した。
ウリウ・セングの超能力
毎度おなじみの人物紹介に入る。今回はミュータント部隊の日本人、ウリウ・セングだ。彼の特殊能力は透視。意識を集中させてレントゲンのごとく物体の内部を見ることが出来る。クインタで不透明だった転送装置の調整ステーションを覗いたり、空洞世界の内側からここが入れ子構造の惑星の中心であることを発見したりとかなり優秀な能力者のようだ。
しかし日本人なのにこの名前はおかしいと思う。彼の生まれは1945年らしいのでもっと親しみやすい名前であるべきだ。タカシ・エンドウとか。
比較的おとなしい性格なのか、会話文も少なく登場シーンもあまりない。おなじミュータント部隊のグッキーとはうまくやっていけっているのだろうか。しかし仕事は真面目に取り組んでいる。
空洞世界について
さて、やっと故郷に帰れると思ったのにまたヘンテコな惑星へ飛ばされてしまったローダンたち。彼らが着いた空洞惑星について説明する。セングの超能力からここが四っつの惑星が入れ子構造になっていることが分かった。
この未知の世界は四つの同心中空球からなり、地表は事実上五つある。第一のものの上にいま「クレスト2」が漂流している。第二のものは、セングが有機生命体がいっぱいと見たグリーンの世界の地面となる。その上に赤い世界の地表。そのつぎの殻と殻のあいだが、セングによると黄色の光と青い光にみちている——そして最後に惑星の実際の地表。それは三つの太陽に照らされていた。
※こんなかんじ?
のちにセングがみた景色は実際のものだと明らかになる。この空洞世界とアンドロメダとの距離はツイン星系とアンドロメダのそれと等しく、事態は一向によくならない。
しかしアンドロメダを支配するやつらは本当によく用意しているなと感心してしまう。敵から身を守るためにここまで罠を仕掛ける手間ひまは僕は持ち合わせていない。
おわりに
いくら読んでも終わりが来ないローダンシリーズ。死ぬまでには読破していたい。それ以前に死ぬ前に連載が終了しているのか?
本日はここまで。