マトリョーシカ的日常

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【書評/感想】何も知らない大人になりたくないから経済学を勉強する/「マクロ経済学入門<第二版>」

知らないことが多すぎる

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マクロ経済学入門 (日経文庫)

 唐突だが今月は経済学強化月間と題して、経済のことを少しずつ勉強していくことにした。理由はいくつかあるが一番大きいのは大人になったのに分からないことが多すぎるからだ。最近新聞やニュースを通して経済関係の用語をよく目にする。金融緩和、GDP、消費者物価指数、ゼロ金利政策……。今までは分かったつもりでいたが将来僕に子供ができて「お父さんデフレスパイラルって何」と聞かれたらどうだろう。うまく答えられるだろうか。

 四月から就職して忙しくなる前に少しでも経済を勉強しよう。そう思って駅前の書店で手に取ったのがこれ。日経文庫シリーズはなんと言ってもコンパクトで、必要に迫られたサラリーマンが短時間で勉強できるように作られたのだろうなと感じた。僕の場合は絵があまり入っていない教科書的な本のほうが理解が進むため、経済に必要な項目が淡々と綴られているこの本はそういった面でも優れている。マクロ経済とミクロ経済の違い、GDPとは何か、三つの市場、IS-LM分析。いろいろ書いてあるが一度に全部理解するのは無理なので他の本と併せて勉強していきたい。


マクロ経済とは森全体をみること。

 経済学にミクロとマクロがあるのは知っていたけれど、何が違うのか理解していなかった。本書によるとミクロ経済とは家計や企業という個人がそれぞれ自分勝手に利益を追求していった結果、全体としてどんな感じになるのかを知る学問らしい。神の見えざる手はミクロ経済の用語。一方でマクロ経済はそんなわやわやとうごめいているマーケットから代表的なパラメータをほいととりだして顕微鏡で眺めて、全体の動きをしる学問なのだとか。

 つまりミクロ経済は木を見て森を見る学問で、マクロ経済は森の中の数本の木を伐採して森を見る学問であると。そういうわけ、たぶん。

 代表的なパラメータはいくつかあるが本書ではGDPについて詳しく説明している。

GDPとは積み上げたコイン

 GDP、GDPとよく聞くけどGDPの定義は知らなかった。

 GDP:Gross Domestic Productは、「ある一定の期間に、ある国の経済において、新たに生産されたすべての財・サービスの付加価値の総額」と定義されます。

 GDPの日本語訳は国内総生産だが、これだと国内で作られたモノの値段を全部足したものというイメージになる。しかしこれは間違いらしい。モノは複数の人間、企業によって作られるため単なる生産額の総和だと値段を重複して数えることになるからだ。例えばケーキ屋さんの売り上げはケーキの値段である。これには原材料の苺の値段と利益分が含まれている。(ケーキ=苺+利益)一方でいちご屋さんの売り上げはケーキ屋さんに売った苺の代金である。(苺=苗+利益)ここでケーキ屋さんと苺屋さんが生み出したお金を足すと苺の値段が重複してしまうのだ。

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 図の二本の棒グラフをそのまま足すのはよくない。付加価値の総額というのは例えるならコインを積み上げていくイメージだ。vs嵐という番組でローリングコインタワーという企画があるがまさにあんな感じ。原料に自分がつけた価値を足していく。

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tweet : 【嵐】大野智についてのツイート…嵐にしやがれ、鍵のかかった部屋、FNS、VS嵐 - NAVER まとめtweet : 【嵐】大野智についてのツイート…嵐にしやがれ、鍵のかかった部屋、FNS、VS嵐 - NAVER まとめ

三つの市場

 マクロ経済は森から木を伐採して森全体の動きを知る学問と書いた。その森は堅い言い方をすると市場というが、その市場は大きく三つある。財市場、貨幣市場、そして労働市場だ。僕なりのイメージでは財市場はスーパーやコンビニの商品が、貨幣市場は株や紙幣が、労働市場では労働者と経営者がそれぞれどんぶらこっこでーれと流れていると思われる。本書では財市場では所得が、貨幣市場では利子率が、労働市場では賃金がそれぞれ決定されると書いてある。そして以降の章ではIS曲線とLM曲線を使った所得と利子率の同時決定とかが説明されているがそのあたりは難しいであまり読んでいない。

要は「バランス」を定式化することなんでしょ

 本の内容は読み進めるにつれてどんどん難解なものになっていく。しかしざっと一通り読み通すと経済学はお金や価値の動きを知るために、バランスを定式化することなのだと分かった。自然現象と同様に経済の動きはどこかで均衡する。その一点を探すことや、得られた点がどのパラメータによって変化するものかを理解するのが経済学だ。こうして考えてみると力学や化学と大差ない気がしていきて、「何だかやれそうだぞ」とやる気が沸いてくる。

 これからも他の本を読んでさらに理解を深めていきたい。