マトリョーシカ的日常

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【書評/感想】英会話の本だとは思わないでほしい/「英会話イメージリンク習得法」

初体験。

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英会話イメージリンク習得法―英会話教室に行く前に身につけておきたいネイティブ発想


 先日株式会社アイディアミックス様から「英会話イメージリンク習得法」という本を頂いた。無料でだれかから本を頂く。書評ブロガーにとってこれほど嬉しいことはない。僕にとってはこれが初めてのことだったので喜びも一段違う。さっそくページを開いて読み進めていった。しかし次第に僕のなかに一つの疑問が浮かんだ。

「なぜ書名に"英会話"というワードを入れたのだろう」

 それは僕がこの本の英会話以外の内容で興味を持った部分が多かったからだ。

前提条件

 断っておくがこれは世間に広く出回っている英語勉強本のカテゴリにはあてはまらない。セクションごとに練習問題や解説がなされていてそれをこなせばステップバイステップで英語力がつく本ではないのだ。思うにこの本に最も適した読者は、英会話学校に入ろうとしているもしくは入ってみたけど日本語と英語に言葉以上の乖離を感じている人である。

 言葉以上の乖離という現象には様々な原因がある。人々の考え方の違いやそれによって生ずる文法の違い、単語一つのとらえかたの違いなどなど。それらの一部分を解説して読者の学習を後押ししてくれるのがこの本書の役目である。

 それでは英会話を始めたい人にしかこの本は役に立たないのか。決してそんなことはない。次で説明する。

上達度とそれに関係する三つの要因

 本書は冒頭で「どういう考えをもって学習したら、イメージと結びついた英文を蓄積していけるのか」と問題提起を行い。そのあとで三つの要素を上げている。心構え、理解度、そして時間だ。僕はこの文面を読んだときに一次関数のグラフが頭に浮かんできた。算数の授業で出てきた一直線のあのグラフだ。三つの要素は上達度をy軸にとって以下のように表せる。

 上達度=理解度×時間+心構え

 上達度は成果とか報酬とか学力と置き換えても良い。ここでいう心構えは学習を始める前の下準備であり、道具や時間の確保またはやりやすい仕組みを作ることだ。理解度は単位時間あたりに得られる理解の度合いだ。これは師匠やメンター、夜食をつくってくれるお母さんなどの活用で増加する。時間は学習にかける時間だ。継続は力なり。ボールを落とした数だけ5ボールのキャッチ数は向上するし、走った分だけ速くなる。

 この式は英会話の学習のみならずすべての学習に適用できる。何かを学びたかったり習得したいことがあったら常にこの関係式を思い出そう。三要素をあらゆるライフハックによって増加させてy成分を伸ばしていくのだ。

イメージリンクでおおまかに掴む英語

 さて、書名にもなっているイメージリンクがどんなものであるのか説明しよう。英語をイメージとして理解すること。以上だ。これでは何を言っているのか分からないのでもう少し詳しく書いていく。英語と日本語は言葉が違う。当たり前のことだが本当に理解している人は少ないのではないか。

「英文を読むときに分からない単語をひとつずつ調べていき全部の単語を日本語に置き換える。文は後ろから訳せばOK」

 こんな風に英語を教わった人はきっといつまでたっても英語が出来ない。そもそも英語と日本語の単語が一対一対応でつながるころがありえないのだ。本書では"take"のもつ意味が日本語では無数にありなおかつどれも完全には表現できないことが書かれている。


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photo by Moyan_Brenn

 その例えとして砂漠の話が取り上げられている。全宇宙共通のあらゆる「意味」が無限に広がっている意味の砂漠を考えよう。日本語や英語の一単語はそこからざっくり意味をとり出すひとつの枠として機能する。単語の枠とwordの枠の共通領域の中でそれぞれは和訳、英訳されるのだ。意味の砂漠をとらえることは難しいが、意味のコアをイメージとしてつかむと理解が進む。単語がもつ意味のコアを言葉ではなく頭の中でふんわりとしたイメージに置き換えるのだ。そう、それがイメージリンクなのだ。

感心した冠詞のこと

 僕が感心したのは冠詞についてだ。冠詞とは名詞のまえについているa/anとかtheとかoneなどのことだが、長年英語を勉強してきたが全然分からなかった。日本語には冠詞がない。ネイティブがどうやって使い分けているのか理解できなかったのだ。

 冠詞は名詞につけるものではありません。正しくは冠詞の枠に名詞を入れるのです。

 この記述を読んで目からうろこがおちた。読むと、冠詞は明確な枠をつくるもので" a fish"は輪郭がはっきりしている魚であり、一方で冠詞のない"fish"は輪郭がぼやけた魚をイメージするのだという。"the"は話し手と聞き手で同じもの(具体的なものでも抽象的なものでも)を指す枠を作り、"one"は集団の中のひとつのあれがというイメージ。すごい。このページだけ切り取ってセンター試験前のあのころの自分に送りつけたい。すっきりわかった。

おわりに

 長くなってしまったが自分なりによい書評が書けたと思う。他にも日本語の主語と英語の"subject"は違うもの、上達するにはゆっくりやること、英語はTPSで日本語はFPSなど、興味深いことが書かれていた。

 株式会社アイディアミックス様には重ねてお礼申し上げたい。ありがとうございました。