マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

【寄稿】ブロガー必読!?三島由紀夫『不道徳教育講座』のすすめ

今回はid:emottoさんから寄稿していただきました。人の記事で自分にアフィ収入が入るのが嫌だったので書籍のリンク先はamazonではなく読書メーターです。それではどうぞ。



はじめまして。タコ(id:emotto)と申します。アラサー独女です。

局長さん(id:kyokucho1989)がブログ寄稿を募集されていたので、思い切って応募してみました!

はてなでブログを始めるにあたり、カスタマイズ方法など局長さんのブログを参考にさせていただきました。
私の周りの理系男性は小説を全く読まない人が多いので、読書量もすごい方だなーと思っております。

『不道徳教育講座』について

今回、三島由紀夫『不道徳教育講座』のご紹介をさせていただきたいと思います。
昨年あたりから夏の読書フェアで平積みされているのを目にするので、読まれた方も多いかも。


不道徳教育講座 (角川文庫)
不道徳教育講座 (角川文庫)



局長さんと同じくらいの歳にヴィレッジヴァンガードで見つけて読み、それ以来、たまに読み返しては「なるほど」と、うなる一冊です!

三島由紀夫は結構好きで、勝手に“ゆっきー”とあだ名で呼んでいますが、『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』などの代表作は読んでおらず、こういったマイナーな作品ばかり読んでいます。



さて、『不道徳教育講座』という作品名から想像されるとおり、各章には、世の中の道徳、倫理、常識観といったものを過激に批判するようなタイトルが並びます。たとえば、「弱い者をいじめるべし」「人の失敗を笑うべし」「女から金を搾取すべし」など。

何ぃ!?と思って読んでみると、「なるほど、そういう意味か」と、思わず納得してしまうような内容のものばかり。

ゆっきーの心理洞察の深さと、ユーモアセンスに脱帽!
頭が良くて、おまけにイケメン細マッチョ……。ゆっきーサイコー!!!


ちなみに、タイトルで「え!?」と常識とはズレたことを提示し、本文で「なるほど」と思わず納得、少なくとも「まあ、そういう考え方もあるかも」と思わせる書き方は、ブログにも活かせるかもしれない……(今テキトーにひらめいた)。



では、私が好きな章を3つ紹介します。

童貞は一刻も早く捨てよ

そもそも男の人生にとって大きな悲劇は、女性というものを誤解することである。童貞を早く捨てれば捨てるほど、女性というものに関する誤解から、それだけ早く目ざめることができる。男にとってはこれが人生観の確立の第一歩であって、これをなおざりにして作られた人生観は、後年までもユガミを残すのであります。

肉体的童貞より、精神的童貞を捨てることを、より重視して書かれています。
私は女性なので童貞については分かりかねますが、異性に対する理想や誤解が悲劇を生むという点については納得。
肉体的童貞でなくても、「この人、女性に理想を抱きすぎ…」という方もいますし、その逆もしかり。

馬鹿は死ななきゃ……

バカという病気の厄介なところは、人間の知能と関係があるようでありながら、一概にそうともいいきれぬ点であります。(中略)秀才バカというやつは、バカ病の中でも最も難病で、しかも世間にめずらしくありません。バカの一徳は可愛らしさにあるのに、秀才バカには可愛らしさというものがありません。


バカの症例として、「秀才バカ」「謙遜バカ」「ヒューマニスト・バカ」「自慢バカ」「三枚目バカ」「薬バカ」……と、ほとんどの人がギクリとしそうなもの、ゆっきーは容赦なく列挙します。


で、終盤に

利口であろうとするのも人生のワナなら、バカであろうとすることも人生のワナであります。そんな風に人間は「何かであろう」とすることなど、本当は出来るものではないらしい。

と。

10代の頃、「頭の良い人間になりたい」と思っていて、それでガリ勉しちゃったり肩肘張ったりしちゃったけれども、なんだか良い意味でバカらしくなってきて、生きるのが楽になりました。

告白するなかれ

どんなに醜悪であろうと、自分の真実の姿を告白して、それによって真実の姿をみとめてもらい、
あわよくば真実の姿のままで愛してもらおうと考えるのは、甘い考えで、人生をなめてかかった考え方です。
というのは、どんな人間でも、その真実の姿などというものは。不気味で、愛することの決してできないものだからです。
これにはおそらく、ほとんど一つの例外もありません。
どんな無邪気な美しい娘でも、その中にひそんでいる人間の真実を見たら、愛することなんかできなくなる。

これは今でもハッとさせられます。(つまり成長していないということ…)
かつて、何でも話して何でも受け入れてくれるような恋人がいて、それを愛だと思っていたフシがあった。
けれど、それは自分の弱さや甘えを押し付ける一種の暴力のようなものだったなと、反省しております。

今でも、気の置けない友人とお酒飲みながら、ついつい身の上話がヒートアップして泣き上戸になったりしてしまうので、気をつけたいと思ってます。禁酒!!!

“ゆっきー”こと三島由紀夫について

私の中でのゆっきーは、もうこの世にいない作家さん。いつの時代の人だっけ?大正?昭和初期?くらいの認識で最初は読みました。
一方、私の両親世代にとっては、同じ時代を生き、センセーショナルに自害した作家。
母は「テレビで見てびっくりした」と言い、当時、東京にいた父は「騒動を知って野次馬に行った」と言う。

私はもともと村上春樹をよく読んでいたため、1970年前後の日本や、政治に熱狂する若者たちにも興味があった。
(村上春樹の小説ではそういった出来事には冷めた主人公が多く登場する)

ゆっきーも私の読んだ作品からのイメージでは冷めた方なのかと思っていたけれど、熱狂側だったのか…と知った時、とても感慨深かったです。


乱文失礼いたしました。それでは!






ありがとうございました。id:emottoさんのブログはこちら。

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