【書評】無数の空間単位は微小な愛/「流れよ我が涙、と警官は言った」【感想】

小説とは文脈だ。そして、小説を読むことは文脈を拾い集める旅のようなものだ。生まれていくばくかの物語を頭にインプットし、そこで話されている会話やなされている展開を、僕は採取し続けて来た。標本のように枠にきちんと収まる代物ではない。それは地層のように徐々に空白地帯を埋めていく。