二回目の職域接種がおわり、わたしはただ座っている。目の前には巨大な送風機とスポットクーラーがある。わたしは冷やされた。周囲に展開されたパイプイスにはそれぞれが座っていた。そこは広い体育館で、大学のひとつの施設であって、わたしはかつてここに通っていた。
卒業してから十年くらいたつと、当時の記憶などはとうに消えている。残っているのは間延びした感覚だけだ。何を学んだか、誰と会話したか、どのような文章を書いたか、なにひとつ覚えていない。それは良いことだ。昔のことは今の自分になんら寄与しない。ここにある、そこにある。それだけ。
それでも大学生協に寄って、惰性で文庫を一冊買った。「組合員ですか」「いいえ」
10%割引がなくなった。
先日の基本情報技術者試験は合格していた。直に合格証がくる。わりとどうでもよくなった。次はいよいよRailsを頑張る感じになった。何かWebサービスをつくる。
コードを書く生活というのがしっくりきている。一生しっくりしていたい。以前、「本を読む、文章をかく、ものをつくる」を自らのテーマにしていた。でもいまはそこにコードを書くも追加してやろう。ワクワクしかない。