マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

通勤接合学入門

 週に一度物を書くのが億劫になったので、これからは毎日書くことにした。しかし、公開するのはやはり週に一度で記事はひとつだから何も変わらない気もする。Aの断片としてノートの隅を埋めるイメージだ。

 仕事上、物体のつながりに目がいくことが増えた。この世界のものは単独で存在しているものはなにもなく、それぞれは何かとつながっている。いろんな言い方はあるだろうが、ここでは接合と呼ぼう。(つなぎ合わせること:接合 - Wikipedia) 私は接合の種類を体系的に理解したいと思い、文章に書き下すことにした。一口に接合といってもさまざまな様態を持つ。ボルトとナットによるものとか、ロープ、ボタン、杭を埋めるものもそうだ。溶接はどうなるのか。磁石や静電気はどうだろう。化学の授業では共有結合というのを習った気がする。わりと種類が多い。まずは最もわかりやすい形態である、摩擦力を利用するものを挙げる。

 だいたいのものは摩擦力によってつながっている。代表的なものはピンだ。やや大きい穴に棒状のものを差し込む。それぞれの径の差は百分の一ミリ程度あれば良い。そのあたりは規格になっていて、はめあいとして習う。H7公差とか学生のときに覚えた。

 例えば径がΦ10の場合、軸のh7公差は-0.015ミリから+0ミリ。穴のH7公差は+0ミリから+0.015ミリである。それぞれを公差内におさめた場合、「すきまばめ」となって軸はするすると穴の中で動く。しかし、この精度を単純な穴あけで済ませるのはほぼ不可能だ。最終的にはヤスリなどを使って微調整する必要がある。釘や画鋲による締結もこれに該当する。

 ものによっては、バネや材料自体がもつ復元力を利用して摩擦力を高めるそれもある。洗濯バサミやコンセントプラグがそうだ。洗濯バサミはなんとなくわかるが、コンセントの構造が分からなかったので調べてみた。どうやらあの中に小さなバネが入っていて、プラグの先端をがっちり止めることができるみたいだ。配線器具Q&A:JEWA PCやスマホのケーブルの類もこれにあてはまるのだろう。憶測でしかない。木材の接合(つなぎ)には多様な種類があるが、どれも各々の摩擦力を高めることに変わりない。ロープの結びもそう。

 ボルトやどうだろう。復元力は利用していないし、摩擦力だけ使っているわけでもない。彼は自由度を制限させる機構を持っている。山である。彼は金属製の棒の周囲にギザギザの山を持つ。尾根を追うと、全てが繋がっていることが分かる。釘とは違い、鉛直方向の力だけで抜けることはまずない。単純な構造なので発明以来非常に多くのところで使われてきた。ためしに街を歩きながらボルトを探してみてほしい。彼らの遍在性に驚くはずだ。ボルトもはめあいのように多くの規格が存在する。一般的なメートル並目ネジは、山の外径を規準にM○(ミリ)という表記がされる。その後につづく文字はネジ部の長さだったり、ピッチ(山同士の間隔)だったりする。〔技術データ〕六角穴付ボルト|FAメカニカル標準部品|MISUMI-VONA|ミスミの総合Webカタログ

 自由度を制限するということを考えるならば、鎖もそこにあてはまる。あれは環の形をした部品が数珠つなぎになっている。しかし、今までのような接合とは異なり、わりとフリーに動くがそれでもバラバラになっているわけではない。私はこうした接合をどのように扱えばいいか困っている。自由を許しながらも単独で動けるわけではない。これを接合と判断したなら、その範囲はいくらでも広がってしまい「人間みんな友達!」のようになってしまう。ハッピーエンドじゃないか。

 よく分からなくなって来たのでもう書くのはやめよう。次回は化学的接合について書いてみる。