マトリョーシカ的日常

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【書評】シンプルで強力。シュリーマン流外国語学習法。/「古代への情熱」【感想】

暑い暑いシティ。

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 うだるような暑さだ。朝の陽が上がりきっていない時間帯にも関わらず、全身から汗が流れてくる。食欲も沸かないが、なんとかバナナとヨーグルトを口にした。今朝は本を読まねばならない。気温計は三十度を示していた。

 シェリーマンは五十二度の炎天下の中、トロヤで発掘作業を行ったという。彼はホメロスの「イーリアス」「オデュッセイア」で歌われている美しい遺跡は実在したものだと信じ、その存在を明らかにした男である。その根底を支えるのは、ビジネスで稼いだ莫大な富と、十八カ国語をあやつる豊富な語学力、そして夢を信じつづけるあくなき探究心であった。

 金と頭脳と心。シュリーマンはそれらのリソースをうまくコントロールし、歴史に残る偉業を成し遂げた。今回紹介する『古代への情熱』は、そんな彼の生い立ちから遺跡発掘、突然の死に至るまでが書かれている。初版1954年。歴史の重みを感じる。

シュリーマン流、外国語勉強法

 シュリーマンはいろいろとすごい人だが、僕が一番衝撃を受けたのは勉学に対する姿勢だった。彼はホメロスの詩を研究するために、英語、フランス語、ロシア語、ラテン語などをみずからのものにしていった。彼の学習法はシンプルだが、力強いものだった。

 このかんたんな方法とはまずつぎのことにある。非常に多く音読すること、決して翻訳しないこと、毎日一時間をあてること、つねに興味ある対象について作文を書くこと、これを教師の指導によって訂正すること、前日直されたものを暗記して、つぎの時間に暗誦することである。

 声に出して読む。しっかりと時間を割く。辞書を引かないなど。外国語学習関連のホッテントリ記事の全内容が上の引用に集約されている。特に「いいな!」と思たのは、興味ある対象について作文を書くということ。これはブログにも応用が効きそうだ。今度、英語で記事を書き出してみようかな。

 また、学習には教師の存在が必要だ。いなくてもかまわないが、いたほうが学習の伸び率が断然早い。これは何事にも言えることだ。サイトデザインについて、一人で本をかかえて悩むよりも、詳しい人に聞く方が良い。無料で教えを請うことに抵抗があるなら、amazonのウィッシュリストなどを活用して物を贈ろう。

その外国語で何を話すか、何故話すかが重要。

 今日は近所のスターバックスでコーヒーを飲みながら、読書をしていた。隣では高校生とおぼしき少年と、その家庭教師がいた。先生は来る英語試験に向けて、高校生を指導しているらしい。「(四つの選択肢から選ぶので)正解は25%って結構少ないよね。だから消去法を使って……」「問題のパターンは決まっていて……」これが学習というものなのか。なんだかみじめな作業だ。

 私は学校でとられている方法はまったく誤っていると、かたく信じなければならなかったからである。私の見解では、ギリシア語文法の基礎的知識はただ実地によってのみ、すなわち古典散文を注意して読むこと、そのうちから範例を暗記することによってのみ、わがものとすることができるのである。

 シュリーマンは文法の学習は、実践的に学ぶのが有用だとしている。実践的にとは、古典作品を読み、暗記すること。中学生の時に論語の一部を暗誦させられたが、あれも効果的な勉強方法だったのかもしれない。

 とにかく生きた外国語を身につけたい。そしたらシュリーマンになれるかもしれない。

古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)

古代への情熱―シュリーマン自伝 (岩波文庫)