久しぶりに太陽をみた気がする。台風一過の影響で、空はからりと晴れ上がっていた。カラスやスズメの泣く声と、ときどき電車の通る音が聞こえてくる。静かな朝だ。僕は手回しミルで豆を挽く。ゴリゴリゴリという重低音が部屋一杯にふくらむ。近隣の迷惑になるかもしれない、と一瞬考えたが、隣は洗濯機を回していたのでそのまま挽き続けた。やや荒く挽かれた豆をフィルターにのせる。お湯をゆっくりと注ぐ。ポタリポタリとコーヒーが抽出されていく。
あっさりとしている。以前飲んだ小川珈琲のバードフレンドリーブレンドは、どっしりとした重さがあった。グアテマラブレンドには独特の香りを持っていた。しかし、今回のモカブレンドはそのような重さも香りもない。(パッケージには香りが5点満点だったから、僕の嗅覚がおかしいのかもしれない)「特徴がない」と言ってしまえばそれまでだが、シンプルで飽きの来ない味になっている。とてもいい。
パッケージに書かれている「フェアトレード」について調べてみた。なんとなくは知っていたけれど、もう少し詳しく知りたくなったからだ。
フェアトレードとは直訳すると「公平な貿易」。つまり、開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することにより、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指す「貿易のしくみ」をいいます。
フェアトレードミニ講座 : フェアトレード・ラベル・ジャパン / Fairtrade Label Japan
生産者が健全に生産できるように、消費者側からも援助するシステムのことらしい。たしかに、フェアトレードの商品は他の商品よりも値が張る。しかし、これからもこの味が飲めるように応援しているんだ、と意識できる。
良いものは高い。そんな当たり前のことを、いままで気づいていなかった。
小川珈琲店 有機珈琲フェアトレードモカブレンド 豆 170g
- 出版社/メーカー: 小川珈琲
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