コーヒー豆を買った。ミルをもらったから。ついでに豆を入れておく容器を買った。「だんだん、この一角(コーヒー用具置場)が豪華になってきたね」と言われた。なぜか申し訳ない気がした。蒸し暑い日だった。
今朝、起きるとコーヒーのことを思い出した。そうだ、僕はきょうから豆を挽く。たったそれだけのことだが気分がよくなった。ケトルに一杯分の湯を沸かし、待っている間に豆とミル、ドリッパーとカップを用意した。スプーン一杯の豆をミルに放り入れた。
回し始めると豆がくだける音が響いた。口を塞がれた牛のささやき声のようだった。あまりおしゃれではない。彼の声はおよそ十分間続いた。お湯はとうに沸いていたし、僕の頭は十二分に覚醒した。「この作業がいいんだ」思い込むことにした。「この作業がいいんだ。ゆっくりと丁寧に行えば、きっと体調もよくなる」 それは朝の儀式のようだ。
十分くだけたのでドリップした。少ない水量で回数を多く。さいごは水量を多くして、ドリッパーのふちぎりぎりまでお湯を置く。適当なところで切り上げる。
味の違い?よく分からない。これが豆のおいしさなのか、銘柄のおいしさなのか判断ができないから。ただ、以前のよりずっと濃い、濃い味だった。これは一日一杯で十分だな。ミルの説明書を読むと、ねじの回転によって挽き具合が調節されるらしい。
「明日はもうすこし荒めに挽いてみよう」
あれほど時間がかかる作業だったのに、また僕は明日を楽しみにしている。おかしいなあ。
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