マトリョーシカ的日常

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【書評】分かりやすい文章の書き方入門/「文章力の基本」【感想】

はじめに。

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「基本さえ身につければ、文章を書くのは決して難しくない。むしろ楽しい」

 著者はビジネスの世界で簡潔・明瞭な文章を書く大切さを知った。この本で彼は「明快な文章を書くための77のヒント」を文例とともに分かりやすく説明している。「もっとうまく文章を書きたい」「作文アレルギーをなんとかしたい」そんな人におすすめ。どこからでも読める構成なので、時間のあいたときにさっと読める。


教授に勧められた

 以前にも書いたが、僕は文章を書くのが苦手だ。以前、論文の概要を作成する時も、教授に「ここの表現がおかしいよ」と何度も添削された。「てにをは」の使い方がうまくないことや、文章の前後関係がかみ合っていないことが多かった。ある時、教授が「こんな本があるんだけさ」と書架から一冊の本をとり出した。それが『文章力の基本』だった。実は彼も文章を書くのが苦手だったらしく、若い頃は苦労したようだ。

「買ってみるといいよ」
「はい、わかりました」

 そう返事をしたものの、書店で平積みになっているのを見かけるまで僕はその本の存在を忘れていた。教授、ごめんなさい。

 謝罪の言葉を心の中にしまいこんで、僕は本を開いた。読みやすい。文章力を高める77の「ヒント」に例文と丁寧な解説、やさしい挿絵が織り込まれている。例文はこんなぐあいだ。

原文:山田は5オーバーでかろうじて優勝の翌週に予選落ちという不名誉を免れた。
改善:先週優勝した山田は5オーバーで、予選落ちという不名誉をかろうじて免れた。

 全てのページに目を通す必要はない。原文が違和感なく読めてしまったところを重点的に読んでいてけばいい。77と聞くと多いと感じるが、実際に読んでいくと「なんだ、これだけを抑えればいいのか」とやる気が出てくる。

とにかく短く言い切る

 著者曰く、文章は短い方が良い。余計な言葉がつかないほうが、意味の通りやすい日本語になるからだ。僕は今まで「文章は凝った言い回しや、すてきな比喩表現があったほうが良い」と考えていた。そのため、句点をあまり設けず一つの文章ににたくさんの情報を乗せていた。しかしそれは間違いだった。言葉は相手に伝えることが一番大切だ。意味が伝わらない限り、相手は言葉にそれ以上の価値をつけない。

 僕はもともとは文章のひとつひとつを短く書く人間だった。喋るのが得意ではないこともその原因にあるのだろう。短く言い切ることは意識する必要はない。逆に長く書かないことを意識することにした。「どっちでも同じじゃないか」と言われればそうなのだけど。

相手の立場になって文章を読む

ジョジョ、これは大事な物の考え方じゃぞ!
「もし自分が敵なら」と相手の立場に身をおく思考!

 『ジョジョの奇妙な冒険』に登場するツェペリはジョジョに対してこのような助言をした。「他人の立場になって考える」という教えは誰もが聞いたことがあるはずだが、実践できる人は少ない。理由は単純で、自分は他人ではないからだ。しかし文章をうまく書きたいのなら、そこを頑張って考えないといけない。文章力の向上する上でも相手の立場になることは大切だからだ。

 「ここは推測してくれるだろう」「これは常識だろう」「読みやすい文章だろう」。何かを書いているとき、もしくは書き上げたとき、僕らは勝手な判断で読み手に意味不明な文章を差し出す。それは良くないことだ。分かっているなら止めてほしい。提出する前にもう一度はじめから読み直してみよう。言いたいことは正しく書けているか、読み手に謎を与えたままになっていないか、適度に改行をしているか。前情報を消して、まっさらな状態で、相手の立場になってチェックしよう。
 

時間がかかってもいい。納得のいく文章を書こう。

 僕がこの本の中で最も印象に残ったのは、本文ではなく、コラムに書いてある言葉だった。書くのが遅いと反省する人に対して「『時間をかけてもいいから、納得のいくものにしよう』と心がけてください」というアドバイス。

 「そうか、時間をかけてもいいのか」。これを読んでずいぶん心が楽になった。毎日ブログを更新していく中で、僕が重要視していたのはスピードだった。三十分で書けるようになれば仕事が忙しくなってもブログが続けられるだろうと思ったからだ。しかしいくら早く書けても、中身が伴わない記事には共感する人はいない。これからは記事を投稿する前に推敲を重ねることにした。

 そうやっていけば良い記事を書けるようになるのだろう。