マトリョーシカ的日常

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【書評】文章を書けない僕が1969年の「技術」を学び、良いブログ記事が書けるようなるまでの一連の流れ/「知的生産の技術」【感想】

はじめに

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知的生産の技術 (岩波新書)

 

「知的生産というのは、頭をはたらかせて、なにかあたらしいことがら——情報——を、ひとにわかるかたちで提出すること」

 扱う情報量が増えた現代では、全ての人が情報を得て整理し発信するという一連の行動、すなわち知的生産を行っている。そのため知的生産の技術は非常に重要なものになっている。学校では知識は教えてくれるがどう知識を得るかは教えてくれない。著者は知的生産の技術についてカードやメモや読書などの様々な面から論じている。

 1969年に発刊された本書はいまだに増版を重ねており、国民的なベストセラーとなっている。知的生産の技術は今日のライフハックの原点だ。ノート術やEvernoteなどに興味のある人はぜひ読んでみてほしい。京大式カードが欲しくなるはず。

 本の内容は多岐にわたるのでひとつの記事で全てを紹介することは出来ない。今回は文章を書くという観点から読みすすめていく。


苦手意識

 僕は文章を書くのが苦手だ。はてなダイアリー(一年ほど前にはてなブログに移行した)で記事を書き始めたのが約三年前。それから多くの記事を書いてきたというのに、どうしても文章に対する苦手意識がなくならない。修論を書いていた際に教授から「君は文章力がないね、もっと本を読んだ方がいいよ」と言われた時はとても落ち込んだ。研究に対する指摘よりもその落ち込みようはひどかった。

組み立てる

 筆者は文章を書くことに対してつぎのように述べる。文章を書く上では「かんがえをまとめる」と「じっさいにかきあらわす」という二つの段階があり、大切なのは第一の段階であると。なるほど。たしかに僕がいつも記事が書けない書けないと悩んでいる時は自分のかんがえがまとまっていないことが多い。

 また著者は文章はたぐりだすものではなく、組み立てるものだと言う。「登場人物たちが勝手に動いてしまって」「思ったままにすらすら書きました」とかいうのは一部の天才の理論である。プラモデルのようにフレーズやパラグラフどうしをつなぎあわせるのだ。これは筆者が考案したカード(京大式カード)を使ったアイデアの整理術にもあてはまる。カードも文章もそれひとつでは意味をなさない。くみあわせ、組み立てることが大事なのだ。

 実際にどうすればいいのだろうと読んでいくと「こざね法」というのが提案されていた。これは紙切れに主題に関係することがらを一枚に一項目ずつ書いてき、書き終わったらそれらの組み合わせを変えながら文章を練るという方法だ。この本が刊行されたのは1969年。当時は大きな紙切れを裁断して小さくしそれらをホチキスでつなぎ合わせていた。しかし今は2014年である。今「こざね法」をするのなら市販の大きめのポストイットやメモ用紙などを利用するといいだろう。僕は無印良品のブロックメモを購入した。

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おわりに

 ためしにこの記事に対して「こざね法」を使ったら前よりも文章が格段に書きやすくなった。今まで僕が文章が書けないと悩んでいた時は、書きたいことはあるけどそれがフレーズごとに散乱している状態だった。そのフレーズを全て書き出して視覚化すればそれらの順序を簡単に入れ替えることができる。「こざね法」は単純だが強力な文章術だった。

 これは、凡人のための文章術である。しかし、文章は天才だけがかいておればいいのではない。文章を書く能力を、失文症や文章アレルギーをおこしている凡人の手にも、とりもどさなければならないのである。

 
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 ありがとうございます。僕は本を持ちながら40年前の著者に向かって頭を下げた。


情報カード B6 京大式 C-602

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