プログラム、ルフィ、バガボンド。
高校の頃、使っていたトイレの張り紙にタイトルの言葉が書かれていた。脇には手描きの仮面ライダージャスティス。きっと特撮ヒーローが好きなO君の仕業だろう。ふふ。笑ってしまったので幾分はみだした気がする。嘘だけど。
これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
さて、サンデル先生である。ひょっこりひょうたんじま。それはサンデー先生である。ハーバード大学で正義について講義している彼は、生え際が後退しているのにカッコイイ。哲学という大学生はあまり興味が沸きそうにないテーマを分かりやすく教えている印象をうける。
この本の筋書きは正義を考えることだ。正義へのアプローチとして次の三点が挙げられている。福祉、自由、美徳だ。分かりにくいので書き換えよう。プログラム、ルフィ、バガボンドだ。
本書は福祉の最大化を功利主義を用いて説明している。これは全員の利害を考え、もっとも利の総和が多い選択をするということだ。まるでmax関数のようなプログラムであり、もしかしたらAIはこんなことを考えるのかもしれない。
ルフィは「この海で一番自由な奴が海賊王だ」と言っている。選択肢に制限がないこと、束縛がないことが正義だというなら海賊王は正義なのかもしれない。
バガボンドの内容はよくわからないが、とりあえず武士の漫画だろう。美徳とは武士道のようなかっこよさを正義だとする考えだ。自分の顔を分け与えるアンパンマンも美徳に入る。
しっかし難しい本だった。読み飛ばす部分も多かった。またいつか読み直そう。
そういって二回目がくることはほとんどないのだが。