マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

あのDNAは、不埒なプラチナデータ

初期値によって人生は左右されるなんて当たり前

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photo by [puamelia]


 プラチナデータを読んだ。東野圭吾さんの作品を読むのはこれが初めてかもしれない。ミステリものは登場人物が多く、それぞれの時間軸や考えに読み方をあわせなくてはいけないので苦手だからだ。あまり読書で頭を使いたくないのかもしれない。しかし実際に読み進めてみるとすらすらページをめくることができる。一文が短く、難解な単語や表現が少ない。なるほど、世の大学生がこぞって読み漁るのも分かる気がする。


 プラチナデータ (幻冬舎文庫)


 あらすじを書いておく。DNA操作システムにより容易に犯罪者の特定ができるようになった近未来の話。そのシステムの開発者が何者かに殺される。DNAを調べてみると主人公のものと一致する。冤罪を証明するために主人公があれやこれや頑張る。そんなかんじ。


 主人公はDNAの初期配列によって人生のあらかたは決まってしまうと考えている。まったくその通りだ。僕も賛成。自分の研究でも不安定な系の場合は、初期値により解が発散してしまったりする。しかし彼は補償器、コントローラーの存在を忘れてはいないだろうか。極配置で安定なゲインを決めれば初期値によらず解は目標値近傍に収束する。
 

プラチナデータを集めよう


 プラチナデータというのはちょうどよい響きだと感じた。ぎりぎり中二ではない塩梅なのだ。これがシャイニングデータだったらもうこの小説は破綻している。


 小説の中のプラチナデータはVIP用の検索除外データだが、みんなのプラチナデータはなんだろう。ライフログとかつけなくてもDNAに詳細に書き込まれているのかも。