マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

読書

増大する分からなさへの対処はない/存在と時間 (終)

神は言われた、「年の瀬に年末あれ。そこそこ忙しくなれ」。そのようになった。息子にはサンタからクリスマスプレゼントが届いていた。プラレールのベーシックセットとアンパンマンの人形だった。割と嬉しそうだった。私がプラレールのレールを丸くつなげて…

風邪による有給消化と簡単な書評/「小商いのはじめかた」

世界が狭まったり、奥深くなっている十二月である。気づかないうちに風邪をひき、体の調子はおもわしくない。ちかごろ文章を書いていないのもその風邪のせいにできれば良いなと思う。本当のところはどうなのかわからない。いつだったか、自分の過去の選択に…

業務時間はおのれの開示態を存在する/「存在と時間」

人間は内に「照明」を含んでいるというのも、おのずからに世界=内=存在として明けられている——すなわち、なにかの存在者によってではなく、みずからその明るみ(Lichtung)を存在するというありさまで——ということなのである。 ちくま学芸文庫「存在と時間(…

共同存在とコーヒー豆増量セール/存在と時間

Photo by Thomas Griesbeck | Unsplash 新聞を日経から地方紙に切り替えた。本来の目的は固定支出を削減することであったが、どうやら地方紙の方がチラシがたくさん入るらしい。近くのスーパーの特売情報がわかるようになった。妻も少し嬉しそうだ。新聞屋も…

帰ってきた世界性と非世界化/存在と時間

いったい私はどこにいるのだろう。ここにいるのか。文章を書くという行為がすさまじく難しいことになってしまっていて、キーボードで文字をひとつ打ち込む際に体がきしむように感じる。さいきんはいろいろあって、いろいろなかったので、存在と時間の存在な…

ジェリアがあったりなかったり/存在と時間

今回のようにタイトルを先に思いついて書き出すのは非常にまれである。ジェリアとは何者なのか、ということを高校時代——もう十年も前である……!——に考えていた。考えていたというよりもノートの隅にメモをしていた程度だ。それをさきほど思い出した。全ては…

くだらないものが売れた話/「物を作って生きるには」

堅苦しい存在の話は後回しにして、今日は読んだ本の紹介でもしよう。『物を作って生きるには』は、世界中のつくってわくわく!さんにインタビューした記事をまとめた本であり、とにかく表紙のデコボコ感は触り心地がいい。私は常々、「好きなものつくって生…

立ち尽くす問い/存在と時間

一つの文字を打たねばならない。こうして、文字を「打つ」と表記すると後から修正することができないような印象を持ってしまう。そんなことは全くない。けれども、修正できないのだから、と自身の書き出しの不出来さを弁護することは可能である。良い時にだ…

セブンイレブンとしての仮説

Marco Oliveira puerto varas, chile, 2014 果たしてどこがスタート地点だったのか。今さっき、一瞬だけ自分の人生を振り返った。とくになにもなかった。何かはあったかもしれないが、よく覚えていない。以前なら日記をしこたま残していて、それに沿って記憶…

靄を抱く/科学と仮説

alien observer-Marco Oliveira どこかでこのもやのような感情をはきだしておかねばなるまいな。ただ、そいつは文章にしていると苦しいほどに単純でなんだかみすぼらしくなってしまうので、明確にはあらわせない。そういえば、きのうみた空はじっとりとして…

ブンバボン体操と純粋理性批判(下)

「ブンバボンボンボ・ブンバボン!ブンバボンボンボンボ・ブンバボン!」リズムにのって私は舞う。息子は言葉の意味がわからないが、楽しそうな雰囲気は伝わるのだろう、ニコニコしている。(何だろう?ブンバボンって。まぁいいや、楽しい!わーい。)私も…

余白と良さとフェルマーの最終定理

なにかの拍子で余白を意識するようになった。いかなる立ち振る舞いにもそれ相応の自由度が必要であり、それにはスペースを設けておく必要があるのだった。さいきん文章を書けていないことを逃げていった二月のせいにしたいけれど、どうもそれは違うようだ。…

粒子と波、二足のわらじ

私が仕事にあたる方針として、「自分の楽しさにもとづいて働く」というものがある。ほかの人がどうだというのは関係ない。自分が一番楽しいと感じられるように仕事を進める。「それは極論だ」「他人からの評価も大事」「Win-Winでいこう」言われそうだが、ま…

秘密がなければ秘密は持てない/「暗号解読(下)」

先週の木曜から右手の人差し指が痛い。激痛と言うほどではなく、じんわりやんわりと痛い。週末を経てだんだんと腫れが大きくなってきた。こわいかにと、整形外科にいった。大変盛況しており、女性の事務員が十人くらいいて、そこそこ忙しそうにしていた。十…

暗号解読は世界を救う/暗号解読(上)

秘密は隠しておきたいが誰かと共有したい。そんな両極端な感情が秘密文書を生んだ。はじめは文章そのものを見えなくする「ステガノグラフィー」が用いられた。言葉の由来は、ギリシャ語で「被う」を意味するステガノスと「書く」を意味するグラペインにもと…

特性関数形ゲームにおける出張と日本酒

私は新幹線の窓側の席に座った。目の前にはコンビニで買ったコーヒーとおにぎりが並んでいた。ターリーズコーヒーのブラックと、鮭ツナ梅干しのおにぎりだ。車両は音もなく加速し、見慣れた街は消えた。私は「ゲーム理論入門」を開いた。上司は隣で寝ている。

ツェペリさんも喜ぶゲーム理論

一週間ほど何も考えることがなかった。仕事が忙しいわけではないが、頭がよく動かなかった。ブログを書いていない間は潜水しているような感覚があり、自分の内側で言語化できないもやを抱いている。かといって何かを書くことで思考はまったく明確にならない…

ノーチラス号で学ぶ!電池のいろは/「海底二万里」

一八六六年、アロナックス教授はたび重なる海難事故の真相を探るうちに、ネモ船長率いる潜水艦「ノーチラス号」と対峙する。最新技術が搭載された潜水艦に乗り、世界中の深海を旅する冒険が始まる。ジュール・ヴェルヌの代表作のひとつ。 作中でヴェルヌはサ…

閉塞感にあらがうスーパーヨーゼフ・K/「審判」

日常に差し込むように審判を読み、そうして読み終わった。二度目である。どうあがいてもヨーゼフ・Kのもっさり感を取り除くことはできなかったが、それもきっとあの文章のよいところなのだろう。作中で、ヨーゼフ・Kは二度ほど暖かいこもった空気にやられそ…

記憶があるうちに2015年に読んだ本について書く。

全く短くない一年だった。いろいろと出来事があって、いろいろと考えた。しかし、それは記憶にほとんど残っておらず「なんだか疲れたなぁ」という印象しかない。こういう時は自分が読んだ本から汲み取ってやるのが良い。というわけで今年読んだ本をおさらい…

神とAIの遍在性/WIRED Vol.20の感想

雑誌「WIRED Vol.20」を読んでいる。現在進行形であるのは、この冊子があまりにも分厚いため一息で読み切れないためだ。付録はなく全260ページで、文字ばかり並んでいる。今回は「特別保存版」のためいつもよりボリュームが多い。価格は1200円。ハードカバー…

カフカ「審判」にみられる日常の無慈悲なかんじ

十一月の隙間を埋めるようにカフカの「審判」を読んだ。一人の男がある日突然逮捕され、罪の内容がわらからないまま一年後に処刑される。それだけの内容だった。私はきっとこの小説になにも求めてはいけないので、あまり詮索するのはやめようと思う。という…

どっこいしょ祭りとWIRED Vol.19の感想

ふいに「どっこいしょ祭り」という言葉が頭から降りてきた。きっと、けんか神輿の対極をなす平和的な祭りなのだろう。私はどっこいしょ祭りについて深く言及したくないので、この話はとりやめにしよう。WIREDのことを書こう。先週WIREDの十一月号を買ってき…

†漆黒の純粋批判ランドリー†

早朝の洗濯が好きになりつつある。起床とともに洗濯機を回し、彼が動いている間にコーヒーを入れて朝食を食べる。新聞を読んだりしているとぴーぴー言うので洗濯物を取り出し、ベランダへ向う。まだ夜は明けていない。空にはいくつかの星があって、私はそれ…

自己を認識しはじめる息子と神さま

最近、息子が自分の手をじっと見つめるようになった。それは決まって左手で行われるので、私は彼は左利きなのではないかと思った。生まれてから大きくなったとはいえ、彼が握るこぶしはまだ小さい。ぐっと握ったまま、それを自分の目の前に持ってきてしばら…

日本語の読み書きと原因の原因

「大学まで行ってなにか得るものがあったのか」と聞かれたら「日本語の読み書きが少しできるようになりました」と答えたい。ただ、この少しというのが侮れない。私はよく社内ネットワークの掲示板を閲覧するが、日本語がおかしいものが多い。社内には助詞を…

虚無に対抗する術/純粋理性批判(中) 5

日々が無意味に過ぎていく。本当はきっと豊かな情報があたりを飛び散らかしているのだろうけど、私はそれをみる術を持たない。特に何もすることがないのでこうしてエディタに向っている。はてなブログのエディタは真っ白けで割と気に入っているが、時折彼が…

缶コーヒーの命題/純粋理性批判(中)解説 4

缶コーヒーを飲むようになった。おそらく会社の上司と一緒にコンビニに行ったことが原因である。原因であると書くと実験レポートの考察のような文体になる。私は実験は好きでも嫌いでもないし、レポートも好きでも嫌いでもない。事実を事実と述べるだけで何…

通勤野草学入門IIとカントと自己矛盾(アンチノミー)

すっかり秋になってしまった。空がどこまでも青いので、私はやっぱり空は青いのだなと思った。そうこうしているうちに後期の授業が始まった。前期の通勤野草学は期末テストの出来が悪かったが、なんとか単位はとれていた。友人の代返と詳細なノートのおかげ…

カント「明日、見に来てくれるかな?」/純粋理性批判(中) 2

そろそろ通勤野草学概論の講義に出ようと思い、路地の草花を眺めながら自転車をすすめた。団地から種子が飛んだと思われる朝顔の群生はしゅうしゅうとしおれた。昔から私が勝手に名前をつけていた草たちは、本当はなんというのだろう。わりとどうでもいい。…