この記事はArduino Advent Calender2015の9日目の記事です。
Arduinoを購入して数年が経つ。このブログとは別ブログ(つくったブログ)の方でいろいろやっているけど、技術的なレベルはまったく進歩しない。「もうどうにでもなれ!」と、くだらないものをつくることにした。そもそもくだらないとはどんな意味か。
[連語]《動詞「くだる」の未然形+打消しの助動詞「ない」》まじめに取り合うだけの価値がない。程度が低くてばからしい。
下らない(くだらない)の意味 - goo国語辞書
要するに価値がないということだ。私はまったく問題ないと思った。この世の中は有用なものばかりで、どれもこれも最適なソリューションを与えようとしている。有用ということは、確かに意味があるということで、私たちは頭を使ってその意味を感知しなければならない。最近ではその傾向が顕著になっていて、やれビックデータだやれIoTだとみんなが騒ぎ立てている。疲れる。私は価値のないものを作りたい。その結果がこれだよ。
飲めなくなるコップ。
ゴンさんがうごくだけ。
キラーがキラキラするだけ。
スタープラチナがオラオラするだけ。
猫が死んだり生きたりするだけ。
くだらないものの作り方を以下に記す。
- 入力、出力をどのパーツにするか考える。
- てきとうにつくる。
- てきとうに解説をつける。
まず、入力と出力について考える。どんな電子工作も入力と出力の組み合わせだ。前者は情報をなんらかの方法で受け取ること、後者は信号を表現することである。情報を処理する役目はArduino本体が担っている。入力とはセンサーやスイッチのことで、温度湿度センサーや、距離センサー、音センサー、トグルスイッチなどがある。一方で出力はLED、スピーカー、モーター、ディスプレイが挙げられる。楽しそうな組み合わせを自分で探そう。そうして次はてきとうにつくる。てきとうなのだから、あまり難しいステップは考えなくていい。ワンステップで十分。スイッチを押せば光るとか、音を拾ったらモーターが動くとか。完成したら、てきとうに解説をつけよう。実はこの解説が大事だ。くだらないものに存在意義を与えてあげよう。例えば全自動オラオラロボットは距離センサーがなにかを認識すると、サーボモータが動くという単純な機構である。しかしそのサーボをスタープラチナの腕と見なすことで、彼に生命の息吹を与えている。
ポイントは自分が今できる範囲の技術でものをつくること。人間は結構見栄っ張りな生き物で、自身を過大評価してしまう。「これくらいなら余裕でつくれるだろう」くらいの技術レベルで製作に入ろう。案外ちょうど良かったりする。実際につくるうちに、意外な落とし穴があったりして結構時間がかかるからだ。
くだらないものの良いところは、成果物に対して誰も期待しないところだ。「誰」の中には制作者本人も含まれる。なにかを作ろうとするときに、自分が期待してしまうとあまりよろしくない。「これは絶対面白い!」「良いものができるに違いない!」そんなふうに考えていると、完成度を高めようとしてしまい、いらない努力をしてしまう。重箱の隅をつつく。結局尻切れとんぼになる。くだらないものにはそんな堅苦しさはないため楽に工作が出来る。
ルパン三世の石川五右衛門はいろんなものスパッと斬るたびに「またつまらないものを斬ってしまった」と言う。私はそれにならって「またくだらないものをつくってしまった」と書くことにしたい。なんだか気分が良いのだ。もしかしたら、五右衛門もつまらないものを斬るのがわりと楽しかったのではないか。
来年は今年以上にスピードアップしてくだらないものを製作したい。
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