マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

ワクワクの可能性を上げる種まき/「自分が信じていることを疑う勇気」(献本)

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 帰り道に見かけたノアザミたちはどれもが空を一直線に見上げていた。まだ夜ではなかった。雨も降っていなかった。梅雨入りしたはずなのに、今年はあまり傘の出番がない。彼には申し訳ないことをしている。私は気分がいい。日々の仕事に追われているが、ストレスはまったくない。自分がしたい仕事であるからというのもあるし、誰かに必要とされているからということもある。「今のような業務があとどのくらいできるのだろう」と考えてはいるが、それは誰も知らない。知らないけど、それでまた今月も生き延びることができる。それで十分じゃないか。コンビニで買った缶コーヒーを駅のホームで飲む。また喜ばしからずや。


 長谷川 雅彬さんから彼の著書である「自分が信じていることを疑う勇気」を贈っていただいた。今月の初めに本を頂いていたのに、感想を書くのがずいぶん遅くなってしまった。すみません。表紙とタイトルからは、よくある感じの自己啓発書の匂いがプンプン漂ってくる。しかし、中身はそれとはまったく異なった。良い方に期待を裏切られたのだ。この本は「こうすればうまくいく!」「私のサクセスストーリーはこれだからサクセスしようぜ!」という流れのそれではない。著者が世界に存在するさまざまな事象をピックアップし、彼の考えを述べる。というだけにすぎない。それだから、人生の一発逆転の方法を探している人たちにはちょっと物足りないかもしれない。しかし、私にとっては楽しい本だった。

 本のキーワードとなるのは、「無限の可能性」であろうか。私たちには無限の可能性が内在していて、やろうと思えばなんだってできるよ! そんな感じだ。私は生きるということはあらゆる可能性を潰し、何かを決定させていく作業だと思っているところがあるので、「無限の可能性」については良い印象を抱かなかった。どうあがいても人生は一本道であり、一方通行であり、可能性の多寡にかかわらず私は生きているのだと。しかし、実際はそうではないかもしれない。

 一か八かのアプローチや100%成功する方法を探すのは現実的ではありません。それよりも、最初から成功も失敗も織り込んだ上で、実現の可能性を上げる要素を増やすアプローチが必要なのです。
p143

 ニュートン力学に慣れしたんだ私たちは、「物事には原因があって結果がある。結果は条件さえ整えばすべて予測可能」という完全世界を夢見がちだ。しかし現実は非計算領域で行われるそれらがあったりする。たとえ素晴らしく高精度なAIが登場しようが分からないものは分からないのだ。それならば分からない状況でなんとか頑張ればいい。それが可能性を上げるという行為である。

 新鮮だった。可能性は与えられるものでなく、自らコントロールできるものだと知ったからだ。ふと思い返すと、この可能性を上げる行為は私が提唱する「ワクワクの種をまく」ということに近い。(いま提唱した。)結果がすぐに出ないかもしれないが、楽しさが溢れそうなことがらに対して少し時間的な投資をする。種をまく。今は仕事が忙しく、いろんなことに手がとれないが、そんなときでも種はばらまいておこうと思う。

 長谷川さん、著書を頂きありがとうございました。

自分が信じていることを疑う勇気

自分が信じていることを疑う勇気