マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

風邪による有給消化と簡単な書評/「小商いのはじめかた」

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 世界が狭まったり、奥深くなっている十二月である。気づかないうちに風邪をひき、体の調子はおもわしくない。ちかごろ文章を書いていないのもその風邪のせいにできれば良いなと思う。本当のところはどうなのかわからない。いつだったか、自分の過去の選択について理由を聞かれ、「〜だったからだと思います」と答えたら、思いますは余計だと言われた。会話のニュアンスとかその人が何を言いたかったのかはなんとなく理解できる。もっと自信を持てとか人ごとにしないようにとかそのあたりだろう。けれども、私は思いますとしか答えられないのだ。皆はそんなに昔のことを覚えているのだろうか。過去のああいう感情があって、こういう行動をしたと整然と述べることができるのだろうか。できるのか。そうか。


 「小商いのはじめかた」は、日本で小商いを実践する人々にインタビューし、それをまとめたものである。小商いという言葉は聞き慣れないかもしれないが、普通の商いを小さくしたものだ。だからそれほどたくさん稼ぐことはできないが、それに費やす労力も少なくて済む。著者の前作の言葉を借りれば「ナリワイをつくる」作業である。楽しそうだ。

 例えば移動本屋を運営している富永さん。はじめは古本屋をやろうとしていたが、固定店舗では家賃などが高くついてしまう。そのとき知人に「旅をしながら路上で売ってみれば」と言われはじめたのがきっかけだという。

「僕の考える小商いはいずれも、『小時間』『小スペース』『小収入』がモットー。ほんのちょっとの余っている時間を使う。大きいスペースは家賃がかかったりするので、路上や屋台などで無理せずに小スペースで。(略)」
そして、"小スキル・小センス"があれば充分なのだという。

 私も以前からなにか商売がしたいなあと考えていて、古物商許可をとったり、ネットショップを開いたりした。しかし、肝心の商品の完成度が上がらずに「もっと良いものができないと売れないよなぁ」と残念に思った。でも本書で取り上げられている彼らの活動を見ると、とにかくやってみることが大事なのかとわかった。「小」商いなのだから肩に力をいれる必要はない。楽しそう、面白そうで動いてしまえばよかったのだ。わー。

 本を読んでなんとなく小商いのコツがわかった気がする。店舗にかかる費用は、ネットショップや空きスペースを借りるなどしてなるべく安くすませる。無理に規模を大きくしない。自分が楽しめることをする。

 そういうわけで、私もネットショップを再開することにした。まずはNYAND回路を陳列します。

小商いのはじめかた:身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本

小商いのはじめかた:身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本