マトリョーシカ的日常

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【書評】信じることが大事。/ルーズヴェルトゲーム【感想】

一気読み。

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 この本も誕生日プレゼントとしていただきました!ありがとうございます!

 青島製作所はライバル会社の台頭による業績不振にあえいでいた。新製品も開発されていないため、今はコストカットによってしのぐしかない。その対象は社内の弱小野球部にも向けられていた。伝統ある野球部は廃部となってしまうのか。そして青島製作所の業績は回復できるのか。社長、野球部員、役員たちの人生をかけた戦いが始まった!


 一気に読んでしまった。こんな小説はしばらくぶりだった。池井戸さんの小説は以前から読んでいたが、この作品は人をひきつける何かがあった。それは主人公を一人に限らない、多面的に進行する物語のスタイルかもしれない。または、青島製作所と自分の会社を重ねたからかもしれない。(現に少しだけ似ているのだ。)本当のところはよく分からないが、面白いものは面白いのだ。

 この本の見所はいくつかあるが、一番大きいのは細川社長の苦難と成長だ。彼はコンサルト会社から青島製作所に引き抜かれ、社長に就任した。そのため会社のことはまだよく分からず、ベテラン役員との衝突も多い。このベテランたちがひとくせもふたくせもある野郎なのだ。

 経理を担当している笹井は、勤続年数も多く、「本当は社長になりたかったのでは」という噂が出ている。表情になかなか出さないため何を考えているか分からない。また、技術開発部の神山は決められた開発スケジュールをきっちり守る頑固な男だ。計画の前倒しは「品質の問題があるから」と聞く耳をもたない。

 細川社長は社員と真摯に向き合い、理解を進めようと努力する。この姿勢が、フレッシュであり、エネルギッシュであって、「頑張れ!」と応援してくなる。

 会社の問題と並行して展開されるのが、野球部の試合である。昨年度、ライバル企業に監督とエース選手を引き抜かれた青島製作所の野球部はぼろぼろの状態であった。しかし新しい監督の活躍によって、徐々に過去の栄光をとりもどしていく。

信じる

 やがて細川はいった。「笹井さん。社長として、私が彼らにしてやれることはないだろうか」
「もしあるとすれば−−」
 笹井はいった。「彼らを信じて待つことではないでしょうか」

 
 細川社長が、新製品の開発スケジュールを神山部長に確認する場面。時期を前倒しにする姿勢が見えない神山に、社長は不安を抱く。引用はそんな時に笹井が言った言葉だ。

 ほんとに信じるしかないのだ。自分では何もできないのだから。野球も同じ。観戦する側はプレイヤーの活躍を信じるしかできない。

 記事のまとめかたがわからないが、とても良い小説。ドラマも面白いよ!

ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)

ルーズヴェルト・ゲーム (講談社文庫)

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