マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

記録-20140206

 寿司を食べに僕はカエサルとともに家を出た。猛吹雪だった。あたりはまだ薄暗く、新聞配達をしていた青年とすれちがった。切符を買い改札を抜けるとほぼ同時に急行電車が入ってきた。僕は入り、カエサルも入った。車両の中には数人の観光客のみいた。

 駅を通過するごとに街は次第に明るくなっていく。終点の駅をすぎた辺りではもう昼を超えていた。そんなにおいしいのかいと僕はカエサルに聞いた。カエサルは何も言わなかった。いつものことだったので僕は会話を諦めた。

 電車を降りて目的の店まで向かう。一センチ以上のぼたん雪が頭に降り積もる。払いのけながら急勾配の山道を上る。どんどんと不安になったきた。寿司というものは海の魚介類を素材としているのだから本来ならば海辺に店を作るのが当たり前ではないのか。

 店はあった。回転寿しだった。中に入ると意外にも近代的な作りでレールの上に特急列車が運行していた。好きなものを頼んで良い、とカエサル。これは夢に違いないと思いながら僕はいただいた。ぷりぷりのいくら、ボリューミーなねぎとろ、あぶらののった海老、だしのきいた茶碗蒸し。どれもこれもがうまい。

 一時間もしないうちに二十皿くらいたいらげてしまった。マスター、ごちそうさま。カエサルはそう言うとさっそうと店を後にした。常連なのだろう。僕もごちそうさまと言って店を出ようとした。

 と誰かに肩を掴まれた。マスターだ。

 七千円。


 まじっすか。

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