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【書評/感想】ダメ人間アウグストゥスと愉快な仲間たち/「ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中) 」

アグリッパさんかっこいいね。

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ローマ人の物語〈15〉パクス・ロマーナ(中) (新潮文庫)
 パクス・ロマーナをおしすすめるアウグストゥスだが彼は貧弱で魅力不足で文章力がない隙だらけの人物だったので、アグリッパやマエケナスとともに仲良くやっていった。本の中には新しい制度や税制や軍事のことがたくさん書かれていて内政好きにはたまらない一冊となっている。


大都市ローマが抱える問題をどんどん解決

 平和なローマ、パクス・ロマーナを実現させるために奮闘するアウグストゥスだったが、都市化するローマは現代の日本のような社会問題を抱えていた。そのひとつが少子化・晩婚化である。理由は何だろうと読んでいくと単純なことだった。

 ただ、子を産み育てることの他に、快適な人生の過ごし方が増えたのである。

 これに対してアウグストゥスはうまいことシステムを変える。不倫しちゃだめだよ法と世間体の良い結婚をしなさいよ法を制定したのだ。不倫の方は聞けばいわずもがななので説明は省略するが、世間体の良い結婚については書かなくてはいけない。これは年寄りと若い女の結婚、いかがわしい職業の者との結婚を"正式の婚姻とは認めない"という法だ。禁止としたわけではない。しかし正式の婚姻と認められないと様々なデメリットが生じる。税金が余分に掛かったり遺産を受け取れなくなったり、またキャリアの面でも不利な立場になることがあるのだ。

 禁止はしないがやりにくくする、強制はしないが冷遇はする。ヒット&アウェイを繰り替えしながらじわじわと理想郷を構築していくのはアウグストゥスお得意の戦法である。

 この法を日本で適用しようと思ったらいろいろ大変なんだろうな。男女平等を訴える団体や独身女性らから抗議が出たり。でも女子会をはじめに推進した企業はうまく方向転換するんだろうな。あそこはそろそろゆりかごから墓場までとなりそうな勢いがある。

ダメ人間、アウグストゥス

 カエサルとアウグストゥスの違うところはカエサルは天才でアウグストゥスは凡人であるところだ。確かにアウグストゥスは内政や再編成が上手いがカエサルと比較すると劣ってしまう。筆者は初代皇帝を持ち上げながらところどころで欠点を挙げていく。体が弱く戦が苦手で女にモテないし文章もうまくない。そのためか僕は彼に何やら親近感のようなものを感じてしまう。カエサルは本当にすごい歴史上の人物として崇めてきたがアウグストゥスは一人の人間として見ることが出来る。

 そんなダメ人間だったがたくさんの仲間に恵まれた。アグリッパは軍事面で活躍し公共事業も押し進めた。彼が建築を命じた水道橋はその後「これは人間業とは思えない出来」という意味で「悪魔の橋」として呼ばれ今は世界遺産になっている。マエケナスは秘密の交渉人でありアウグストゥスのよき相談相手でもあった。またその時代の詩人を支援し皇帝の考えを詩人にブロマガに配信させた。ごめんブロマガは嘘。また義理の息子のドゥルースス、ティベリウスはゲルマンへの侵攻に大いに貢献した。

 仲間と努力して目的を達成していく様は少年ジャンプのような展開である。全員キャラが立っていて人気投票をやったら盛り上がりそうだな。きっと主人公は4位くらいに終わりそうだけど。

おわりに

 アウグストゥス編もあと一巻で終わる。帝政ローマ、五賢帝時代、有名どころに入っていく。ここら辺をしっかり学べば古代ローマを語れるかな。

参考

 アグリッパが命じて作らせた橋。
ポン・デュ・ガール - Wikipedia

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