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マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

【書評/感想】ほんとはすごい、アウグストゥス。/「ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上)」

読書

争いのない時代

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ローマ人の物語〈14〉パクス・ロマーナ(上) (新潮文庫)

 以前からローマ人の物語は読んでいた。しかし前巻でカエサルが暗殺され時代が帝政に動いた辺りで区切りがよかったので一旦読み進めるのをお休みにしていたのだ。ちょっと休むつもりだったが世界にはなんと面白い本が存在しているのだろうか。あっちにもこっちにもあるので僕はうっかりカエサルやアウグストゥスを忘れていたのだ。ごめんなさい。


 読む限りではアウグストゥスは地味な人間だなと思った。ガラではないのに学級委員長になってしまったふじきくんのような。でも彼はうちに秘めたる何かしかの何かを持っていたようで淡々と政策を進め権力をちょっとずつ自分のもとに集めていった。

 塩野さんは相当なカエサル好きのようだがアウグストゥスの肩も持つ。研究者が彼についてあまり多くを書かないのはこんな理由だからだよ〜というのがいろいろと書かれている。

 ローマらしからぬ戦争の記述のない本巻は今までとはちょっと読み応えが違ってはじめは肩すかしをくらうかもしれない。でもじっくり読んでいくとアウグストゥスの抜け目のない考えだとか当時の市民の雰囲気とかがちくりと分かる。

十年でいろいろやったね

 最近ニュースで政治のことがよく話題になっている(小並感)こいつはみんなの発信する情報を統制してようとしている、と誰かが危惧している法案や一般人には負担を重く、企業には軽くした税制度、または安全に対するホットライン的なあれ。みえないライン引きゲームを繰り広げたりまあいろいろやっている。僕たち一般人は基本的におばかなので一度にひとつのことしか注目できない。そしてその一つを問題としてあーだこーだ言う。えらいひとはそのすきにいろんな法案を通す。

 しかし、この時期のオクタヴィアヌスは、これより一千五百年が過ぎたルネサンス時代の政治思想家マキアヴェッリが言うように「新しい政策を断行しなければならない場合は、人々に考え批判する時間を与えないよう次々と行うべきである」をまるで先取りしたかのごとくであった。

 オクタヴィアヌスはえらい人だった。カエサルのように分かりやすく一つ一つ解決させることはないが重ね塗りの要領でちょっとずつ物事を進めていった。しかしそのちょっとずつは市民が考えているスピードであり本当はとんでもない速さで政策を断行していったのだ。軍縮、国勢調査、選挙改革、インフラ整備、食の安定供給、通貨改革。上巻は十年しか時間が進んでいないのにもかかわらずこれだけのことをやってのけたのだ。ほんとすごいよね。

おわる

 オクタヴィアヌスが優れていた点ってなんなのだろう。この巻は政策を淡々と紹介しているだけで肝心の彼の心情が見えてこない。ロボットががたごとやってるみたいだ。彼は筆まめじゃなかったな。

 いつでも書評が満足に書けるようになりたいなあ。読書スピードを速くしたい、あと記事を書くスピードも速くしたい。