勝負師の頭の中
Amazon.co.jp: 勝ち続ける意志力 (小学館101新書): 梅原 大吾: 本
ウメハラと言えば、世界一の国産プロゲーマーである。逆境からの大逆転劇を収めた動画はニコニコ動画でも有名であり「レッツゴージャスティーン」は一種の用語になっている。こんな話はどうでもいい。タイトルには仕事術と書いてあるが、これはただの後付けの題だろう。僕はこの本を通して梅原大吾の生い立ちや考え方を知る方が主だと考えている。ゲームという特殊な舞台のトップに上り詰めた男は何を語るのか。
得るものは多かった。
幼少期から抱いていた危機感
僕が驚いたのはウメハラが幼い頃から、自分が追求できる何かを見つけようという危機感を持っていたことだ。小学二年生のころかららしい。
自分がとことん追求できる何かを見つけて、その分野ですごいことを成し遂げたい。
早くから目的意識をしっかり持っている人は大成する。イチローは卒業文集で将来はプロ野球選手になることを目標にし、具体的なビジョンと数値を掲げている。本田圭祐は「世界一のサッカー選手になりたいと言うよりなる。」と断言している。ウメハラの場合は漠然とではあるが、他のこどもがたらたら遊んでいる中で、人生に対する焦りを持っていたのは感心する。
ウメハラの親は勉強しろ、夢を持て、こうしろああしろと言わない人だったらしく、それによって彼は自分の将来を自分で決めなければならず、よりいっそう心は不安定になった。
しかし自分の頭で考えて自分の将来を決めるというのはとても大事なことだ。ただなんとなく大学へ行き、就職活動をして社会人になるよりも、自分がやりたいことを見つけ、それで食っていける方法を探す方が経験値が貯まるし、力がつく。結果として、ウメハラはもがきながらもゲームという道を見つけ、現在はプロゲーマーとして食っていくことができている。
変化し続けること
ウメハラは勝ち続けるためには常に変化し続けなくてはいけないと書いている。セオリーや勝ちパターンに拘らず、日々のプレイに変化を取り入れていく。そういえば、福本伸行作の漫画「天」の最終巻でアカギも似たようなことを言っていた。
俺は「成功」を少し積んだらすぐ崩すことにしてきた…!
意図的に平らに戻すようにしてきた…
崩すことでしがらみをつくらず、守るもの持たず、肩の力を抜いて勝負ができる。また、ウメハラはゲームの大会を勝敗ではなく、自分がどれほど成長できたかを披露する場として捉えている。こういう考えをもっている人は強い。勝ち負けに恐れず大胆なプレイができるからだ。アカギもきっと勝ち負けよりずっと高みにあるものを目指していてプレイしていたのかもしれない。
おわりに
どうでもいい話だけど、書評って本のあらすじを一通り紹介する必要はないんだよね。読んだ人が「面白そうな本だな」と思ってくれればそれでいいわけだし。もっと自由に書けるはずだ。あと百冊分くらい記事を書いたらノウハウを公開してみようかな。
ウメハラの詳細は以下のリンクから。とても詳しく書かれている。