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マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

【書評】ダイエットの敵は世界の救世主/「砂糖の世界史」

読書

砂糖は強力な世界商品である

 
http://instagram.com/p/bDh4c5BBLx/

砂糖の世界史 (岩波ジュニア新書)


 世界史つながりで購入。砂糖から世界のうごきや流れを述べている本。三角貿易や、プランテーション、モノカルチャー。「なんか聞いたことがあるぞ!」という単語がたくさんでてくる。甘味というのは世界のだれもが欲しがる成分で、その甘味料を確保することは世界を牛耳るごとにもつながる。まさに世界商品なのだ。当時のひとびとが夢中になって追い求めた砂糖の歴史がするっとわかる。


砂糖はどこからきたか

 はじめにヨーロッパ人が砂糖を発見したのは紀元前四百年のころアレクサンドロス大王の兵士たちと言われている。しかし砂糖を伝えたのはイスラム教徒だった。彼らは八世紀ごろまで西へ西へと進出し、サトウキビの栽培、製糖技術を伝えていった。「なんじゃこりゃ、めっちゃうめぇよ」当時のヨーロッパ人はびっくりしただろう。西暦1500年頃にインドやアフリカ、ブラジルへの航路が発見されると、このサトウキビを栽培する広い土地を探すようになった。

 これが後のプランテーションの始まりになった。奴隷を大量に使い安い砂糖を製造する。甘味というのはそれほど強力なものだった。
 

三角貿易

 開発したカリブ海のプランテーションで働かせるため、イギリスは大量の奴隷を必要とした。アフリカで奴隷と綿織物、ガラス玉を交換し、南北アメリカやカリブ海域で奴隷を売る。その代わりに砂糖を得る。地図に表すとちょうど三角の図形を描くことから、これを三角貿易という。

 この貿易で得た利益はすさまじく、国王をしのぐほどのぜいたくな暮らしを過ごした人もいたとか。

お茶に砂糖をいれるという奇抜な発想

 今では当たり前のことだが、当時お茶に砂糖を入れるというのは信じられないことだった。お茶や砂糖は希少なもので、薬品や装飾品の類いでしか用いられなかった。大量に消費できるということはお金持ちにしかできなかった。そう、お茶や砂糖を消費する行為は一種の金持ちのステータスと見られていた。ブランドのバックとか外車を所有するのと同様に。
「なら二つともいっぺんにやったら超ぜいたくじゃね」という人が現れて、お茶に砂糖を入れて飲み出した。ステータス×ステータス=すんごい金持ちのステータスとなるわけだ。

砂糖入り紅茶がイギリス人の朝食を変えた

 時代が発つにつれ砂糖の値段は徐々に下がっていった。そうすると一般の市民でも消費することが多くなる。実は砂糖とイギリスの工業化は密接に関わっている。それまでのイギリス人の働き方は職人気質であり、農業のようにある程度個人の行動の自由が認められていた。月曜にのんだくでもOKだったのだ。しかし産業革命によって工場の生産が多くなると集団行動、時間を守ることが求められてくる。朝食に時間をかける暇なんてないのだ。
 
 そうなるとパパッと準備できてすぐに体が熱くなる食事が必要になる。ここで砂糖の出番だ。冷たいパンも暖かい砂糖入の紅茶があれば、十分「ホット・ディッシュ」になる。カフェインと糖分を朝に摂取することは昼間に働く上でとても重要なことだった。

学んだこと

 砂糖というひとつの品から歴史をみつめるのはとても興味深くて、面白いなと思った。まえ紹介した世界史の本に出てきた人物が出てきたりして、自分の中の回路というかシナプスが太くなった感じがした。本を読むというのはすぐに効果が期待できる行為ではない。長い時間をかけて少しずつ自分の知識や情報がリンクされて、あるときポンと何かが生まれるものなのだろう。そうだと信じたい。

 次は塩の歴史を知りたいな。