マトリョーシカ的日常

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【書評】おじいちゃんになった宮本武蔵が残したもの/「五輪書」

いくつもの死線をくぐってきたよ

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五輪書 (岩波文庫)


 宮本武蔵と聞くと、二刀流とかバガボンドとか決闘に遅れてやってきたとかそんなことしか知識がない。何度も真剣による命のやり取りをして、勝って勝って勝ち続けて。それで人生楽しかったのかな。五輪書というのは武蔵が死ぬ間際になって、今までの戦いからえた剣の技術やこころ持ち方を書いたものだ。五輪のというくらいなので巻は五部構成であり、それぞれ地水火風空の巻となっている。


 地の巻では基本のき、兵法の大まかな説明。水の巻では実際の剣の持ち方握り方、精神面について。火の巻では攻め入ること火の如く、合戦や一対一の戦い方。風の巻ではブーム、流行、他の流派について。空の巻ではなんにもない、縛られない、自分オリジナルな形に入ることを書いている。


リズムを知る

 かっこいいなと思ったのが、空の巻を説明する所の以下の文。

 道理を得ては道理をはなれ、兵法の道に、おのれと自由ありて、おのれと奇特を得、時にあいてはひやうしを知り、おのづから打ち、おのづからあたる、是みな空の道也

 練習して練習して、戦って戦って、そうしていくうちに剣と自分が一体になる感覚を覚えるのだろう。体が勝手に剣を振り、なにも考えず相手にあてる。動きや風から太刀のリズムを知る。この次元までいくと真剣勝負でも楽しいのかもしれない。ただこれにはとても時間がかかる。どこかで天才になるには10000時間かかるという記事を見た。果たして武蔵は何時間剣を振り続けたのだろう。

 僕も10000時間ブログを書き続ければブログの天才になれるのだろうか。


 僕の中で老年のジョースターと齢六十の宮本武蔵がかぶる。武蔵もきっとスタンド持ってたんだろうな。アヌビス神とか。「たしかに…………憶えた……ぞ」

得たもの

  • 宮本武蔵に対する理解
  • 淡白だが力強いメッセージ