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マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

【書評】ブラック企業は農業にあるとみつけたり/「儲かる農業」

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儲かる農業―「ど素人集団」の農業革命 (竹書房新書)


 お菓子メーカーの営業から農家へ転身した筆者が、農業生産法人「トップリバー」の歩みとこれからの農業のありかたについて述べた本。「よいものをつくれば売れる」「収穫量なんて天候次第だから予想できない」といった固定概念をぶっ壊し、素人ならではの新しいやり方で儲かる農業を作っていく。


ど田舎で生まれ育った僕

 僕は田舎で生まれ育った。周囲を山に囲まれ、バスは一日に十本くる程度。村民のほとんどは農家で、どこにいっても野菜畑がある。実家は農家ではなかったので、家業をつぐ必要はなかった。僕にはそれが嬉しかった。とても大変そうだったし。

「きっと僕はここには帰ってこないのだろうな」

 高校を出るとき、そう思った。村の閉鎖的な環境が好きではなかったのだ。


百点+二百点

 さて、本の話に入る。儲かる農業を作るために、筆者は百点+二百点の理論を提唱している。これは生産技術を百点とすると、営業や販売を二百点の加重をかけるものだ。どんなによいものをつくっても買ってくれる人がいなければ意味がない。製造業では当たり前のことだか、農業にはその意識が欠如していた。

 これまで農業は農作物をつくるだけで、売るほうは卸売市場にまかせていた。販売を人任せにして我関せずでやってきたのである。私に言わせれば、儲からないのは当たり前である。それで、儲けようというほうがおかしい。

 どんなことでも言えるが、何かを発表したり、提供したり、販売するときはまず相手を考えるのが大切だ。ブログを闇雲に書くのではなく、「どんな相手に対して書くのか」が重要だ。いや、そんなこと簡単にできれば苦労しないのだが。テーマを絞って定期的にコンテンツを投下するのって力がいるよね。難しいね。


新しいブラック企業の形

 筆者が設立した法人「トップリバー」は全員が農家出身というわけではない。それどころか、ほとんどが素人である。脱サラしてきたおっさんや、都心に住んでいたニートたちが力を合わせて農業を営んでいる。経験がない者を成長させるため、この法人には独自の研修制度がある。

 トップリバー研修規約

○短期研修
期間:七日間(連続しなくても良い)
給与:なし(研修中の生活費については支給)
研修内容:定植、収穫などの基本的な作業
住居:事務所二階、アパート等
保険等:なし
選考方法:担当者と面談


○長期研修
期間:三ヶ月から六ヶ月
給与:日給5,000円(研修中の生活費については支給しない)
研修内容:定植、収穫などの基本的な作業
住居:事務所二階、アパート等
保険等:社会保険、厚生年金、労働保険(雇用、労災)
選考方法:短期研修終了後、担当者と面談


○研修生(正社員)
期間:三年から六年
給与:初年度 2,116,000円/年収
昇給:年一回 10,000/月
ボーナス:100,000円×正社員年数/年一回 
研修内容:圃場の管理、企画
住居:基本的に自分で住む場所を見つける
保険等:社会保険、厚生年金、労働保険(雇用、労災)
選考方法:長期研修終了後、担当者と面談

 僕はこれをみた瞬間「ここに新しいブラック企業が誕生した!」と思った。まずこの制度は人が出て行くことを前提に作られている。農業のノウハウを身につけたものは独立できるだろう、と。短期研修と、長期研修でふたつに分けられているのは一週間で辞めてしまう人がいることを示している。外食、教育、介護業界もびっくりだ。

 そして農業には休日はない。土日であろうがGWであろうが、野菜はもりもり育ってしまう。(そのかわり冬は完全な休みになるが。)さらに農業は予想以上にコミュニケーションスキルが必要である。ただ黙々と土をいじりたい人は家庭菜園をおすすめしたい。

おわりに

 新卒で農業法人に入ろうとするのは辞めた方がいい。もっといい条件のところとか、いっぱいあるよ。きっと。