いきなり引用から
老人はコーヒーをゆっくり飲んだ。これが一日の全食糧だ。
コーヒー一杯だけで一日を過ごす。普通に生活している人間でもありえないが、この老人はこれから漁にでかける。昼も夜もずっと船の上。いったいコーヒーのどこにそんなエネルギーが隠されているのか。
小説の中の話だ。ノーベル文学賞受賞作家、ヘミングウェイが1952年に出版した「老人と海」。前から気にはなっていたが、文章が堅苦しそうな気がして読むのをためらっていた。昨日、大学の生協で思い切って購入し読んでみたら、思いの外面白く、一晩で読み終えてしまった。ひとりのスーパーおじいちゃんが巨大な魚と格闘する。スリルが溢れるアクション小説だ。
人間は負けない
「けれど、人間は負けるようには造られてはいないんだ」とかれは声に出していった、
「そりゃ、人間は殺されるかもしれない、けれど負けはしないんだぞ」
負けない。負けないとはどういうことだろう。人間としてのプライドが保たれるということ?この言葉を読んで、ちょっと勇気がわいてきた。僕は負けない。あなたも負けない。みんな大丈夫。そんな感じ。いまはだめでもきっとどこかで挽回できる。そういうスタンスなのかな。