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マトリョーシカ的日常

ワクワクばらまく明日のブログ。

カフカ「審判」にみられる日常の無慈悲なかんじ

十一月の隙間を埋めるようにカフカの「審判」を読んだ。一人の男がある日突然逮捕され、罪の内容がわらからないまま一年後に処刑される。それだけの内容だった。私はきっとこの小説になにも求めてはいけないので、あまり詮索するのはやめようと思う。という…

手挽きコーヒーミルの姿

私の場合、書かないことは考えないことに直結するため、何かしらの文章を残しておかないと脳が壊死してしまう。壊死とは言い過ぎたが、賞味期限切れの納豆程度になるということだ。実はこの書き出しも五分くらいじっとしていないと頭に浮かんでこなかった。…

どっこいしょ祭りとWIRED Vol.19の感想

ふいに「どっこいしょ祭り」という言葉が頭から降りてきた。きっと、けんか神輿の対極をなす平和的な祭りなのだろう。私はどっこいしょ祭りについて深く言及したくないので、この話はとりやめにしよう。WIREDのことを書こう。先週WIREDの十一月号を買ってき…

自転車で通勤するときにF-zeroの「BigBlue」を脳内BGMにしている。

冬の入り口にさしかかっている。さしかかっているという表現が本来どのような場面で使われるのか知らないが、私はこう思っている。しばらく前に電車通勤から自転車通勤に変更し、りんりんと細い路地を通って会社へ向う。それに伴い通勤野草学を受講したのだ…

私は四年で極めて変わった。「なんとなく、たのしそう!」の精神以外は。

この四年で私は卒業して、引越して、修了して、引越して、入籍して、就職して、子どもが出来た。なんだかもういろいろあって過去をうまく振り返ることが出来ない。写真にもあまり残していないものだから、ときどき自分がどこから来たのか分からなくなる。と…

スーパーマーケット「短歌」

1. シチュー よこたわるシチューにそっと目配せをつぎはぎだらけの木造家屋

†漆黒の純粋批判ランドリー†

早朝の洗濯が好きになりつつある。起床とともに洗濯機を回し、彼が動いている間にコーヒーを入れて朝食を食べる。新聞を読んだりしているとぴーぴー言うので洗濯物を取り出し、ベランダへ向う。まだ夜は明けていない。空にはいくつかの星があって、私はそれ…

自己を認識しはじめる息子と神さま

最近、息子が自分の手をじっと見つめるようになった。それは決まって左手で行われるので、私は彼は左利きなのではないかと思った。生まれてから大きくなったとはいえ、彼が握るこぶしはまだ小さい。ぐっと握ったまま、それを自分の目の前に持ってきてしばら…

日本語の読み書きと原因の原因

「大学まで行ってなにか得るものがあったのか」と聞かれたら「日本語の読み書きが少しできるようになりました」と答えたい。ただ、この少しというのが侮れない。私はよく社内ネットワークの掲示板を閲覧するが、日本語がおかしいものが多い。社内には助詞を…

虚無に対抗する術/純粋理性批判(中) 5

日々が無意味に過ぎていく。本当はきっと豊かな情報があたりを飛び散らかしているのだろうけど、私はそれをみる術を持たない。特に何もすることがないのでこうしてエディタに向っている。はてなブログのエディタは真っ白けで割と気に入っているが、時折彼が…

缶コーヒーの命題/純粋理性批判(中)解説 4

缶コーヒーを飲むようになった。おそらく会社の上司と一緒にコンビニに行ったことが原因である。原因であると書くと実験レポートの考察のような文体になる。私は実験は好きでも嫌いでもないし、レポートも好きでも嫌いでもない。事実を事実と述べるだけで何…

とどのつまり短歌

1. 上様 猫の上様は鮭の背骨でそれ以上になると私くらいか

通勤野草学入門IIとカントと自己矛盾(アンチノミー)

すっかり秋になってしまった。空がどこまでも青いので、私はやっぱり空は青いのだなと思った。そうこうしているうちに後期の授業が始まった。前期の通勤野草学は期末テストの出来が悪かったが、なんとか単位はとれていた。友人の代返と詳細なノートのおかげ…

カント「明日、見に来てくれるかな?」/純粋理性批判(中) 2

そろそろ通勤野草学概論の講義に出ようと思い、路地の草花を眺めながら自転車をすすめた。団地から種子が飛んだと思われる朝顔の群生はしゅうしゅうとしおれた。昔から私が勝手に名前をつけていた草たちは、本当はなんというのだろう。わりとどうでもいい。…

ぜんぜんだいじょばないカント/純粋理性批判(中) 解説1

まったく訳の分からない日々がはじまっている。とりあえず手足を動かし日銭を得て、もりもり飯を食べすやりと寝る。本を読まなくなったので自分と向き合うことが減り、セーブポイントを逃しているような気分になる。そう書いてみたが、果たして本を読むこと…

メモ-20150926

ようやく完成した。私が描いていたザップガンが目の前に現れた。まだすこし調整する必要があるが、全体像はほぼ決まったようなものだ。仕事の話である。そして仕事は嫌いではない。さいきんは時間に対して腰を落とし足下へタックルすることがふえた。それほ…

手拍子ソングと利己的な遺伝子

先日、いらなくなった本をいろんな人に送った。有形無形のなにがしがいろいろ返ってきた。目 (id:ankoro) さんからは手拍子ソングと深夜に聞きたいBGM集が送られてきた。私は音楽を聞きながら手拍子をするクセはないので、この曲の素晴らしさを十分にいかす…

錆びないステンレスはないという話と和田一郎さんの本について

あたらしい雨が降っている。外が暗いのでそれがどんな形をしているか見ることは出来ないが、きっとあたらしいのだろう。 今日は溶接機を使ってばちばちと金属をつなげ合わせた。溶接と聞くと大きなお面を被ってアークを飛ばす様を想像するだろうが、私が操作…

kyokucho1989

昨日、id:fktackさんの記事を読んだ。子どもの頃は親が換気扇の下でタバコを吸っていて、そこでは大人の会話が行われていたというような記事だった。彼はこどものころに、どうして自分は自分なのか、と考えていたらしい。さいごのほうにマトリョーシカに対す…

語り得ぬ平日については、沈黙せねばならない。/論理哲学論考 解説(終)

また一週間が始まる。苦痛ではない。むしろワクワクする。今の仕事は天職ではないかと思う。人と話をすることはあまりなく、ただ機械と戯れる。彼らは嘘をつかないし、私もできるだけ正直であろうと願う。かっこいいことを言ったつもりだが、人と関わらなく…

フィボナッチ短歌

短歌の目第7回9月のお題と投稿一覧です - はてな題詠「短歌の目」1.一錠 さらの手にあまる一錠砂の城残す深夜はおやつでもない2.おい かもしれないかも運転ブレーキの音はとおいと耳はえたむし3.ウーパールーパー すりばちの中のウーパールーパーは今となっ…

本あげます。

書斎を解体することにした。それによって本を置けるところが少なくなったので、本を整理しようと思う。そこらの古本屋にでも売ればいいが、二束三文にしかならないのであまり面白くない。というわけで無料で差し上げることにした。送料はこちらが負担。本の…

「もう限界……」と嘆くウィトゲンシュタインを全力で応援する松岡修造

さて、どこまで書いたか。命題を余すところなく書き尽くす術を今回にもってきたか。そのような気がする。そもそも、命題とは要素命題と呼ばれるさらにちっさい命題の複合体である。要素命題はその名の通り、要素の命題であり簡単に言えばON/OFFのスイッチの…

読んだ本はぬか床へぶちこむ/川添さんとの対談の感想

やたら長い一週間だった。金属をひたすら削っていた。正確に言うと、金属が削られていくのをひたすら見守っていた。私が取り扱うステンレスは難削材と呼ばれる、削りにくい材料である。しかし、わたしは今までステンレスしか加工していないので、他のS45Cと…

ナンセンス☆ウィトゲンシュタイン

猛烈な雨と風は私がさしていたビニール傘をぐにゃぐにゃにしてくれた。何かの映画のジャケットに、どしゃぶりの中で両手を広げて雨を抱いていてる男が映っていたのを思い出した。両手を広げた以外は私はだいたいそのようになった。その足で会社へ行き、タイ…

経験に依存する飾りじゃない涙/「論理哲学論考」その2

昨日の夜、地酒を少しずつ口に含みながら井上陽水をBGMに記事を書こうとしたが、どうにも文章が定まらなかった。お酒は美味しかったが、それと思考が明瞭になることとは別のことらしい。彼は行かなくちゃ、きみに会いにいかなくちゃと自らを急かしていたが、…

インド象の思考と論理哲学論考

未知の本にアプローチする際に大切なのは、本を読んではいけないことだ。読むために読まないとはこはいかに、となるかもしれないが私の知ったことではない。あなたがその文章を知らないとなると、書かれているそれは文字以前に記号でしかないので読もうにも…

箸休めの縁日

それは祭りが行われる日をさす言葉であるが、祭りそのものをさすこともある。それが行われる場所はその日になると、道路や神社の境内のわきに露店が立ち並ぶ。露店とは限定的に開かれる店のことで、人が四五人入れる程度の簡素なテントの中に什器や器具が収…

なげやりの量子力学 (終)

シュレーディンガーは行列力学と波動力学(波のやつ)が数学的に同じであると証明した。そしてそこから、双方の理論の融合を試みた。他の人も頑張って変換理論をつくった。成功した。もう、行列と波動は自由に行き来できる。やったー。文章がなげやりなのは…

排他律とインコのピーちゃん

通勤ルート沿いの家の軒先にピーちゃんがいる。ピーちゃんは二羽のインコのことであり、私が勝手に名付けた。二羽ならばピーちゃんズであろうが、私は彼らを識別できないので、複数形であってもSはつかない。晴れている日はいつでもそこにピーちゃんはおり、…

物質波としての私たちはリズム天国を踊る

わけのわからないことを調べるのが好きだ。意味不明の単語の羅列でしかなかった本が、あるとき急に意味を帯びる。その瞬間が好きだ。何度もこんなことをやっていると、何が重要で何が重要でないかがすぐに分かるようになる。この話はやめよう。今日は物質波…

捨てたけどやっばり欲しいな粒子性

定常状態と遷移というキーワードをかかげ前進を続けた前期量子論であったが、その背景にあるのはいまだに古典論であった。そこには位置と運動量があり、運動方程式を立てればいつどこにどのような動きでそれが存在しているのかが掴める。そういう奴だった。…

スピンと排他律、それと第一子誕生

先日子供が生まれた。何もないところからどのようにして彼がやってきたのか、甚だ疑問である。すわっていない首を支えながら抱く。彼は寝ている。私は起きている。

はいさい短歌

短歌の目第6回8月のお題と投稿、怪談短歌です - はてな題詠「短歌の目」1.ジャワ 残り香をさらう不可避の単騎待ちジャワ行く象さんにん声パオン2.くきやか くきやかなサラダジャギジャギ俺の名を言ってあたたた腹痛痛い3.蝉 抜け殻となった蝉らのともがらを…

空虚な原子内にはびこるネプチューンマン

そろそろ量子力学の話を聞くのも飽きて来たと思うがつきあってほしい。私も別のことを書きたいのだが、いかんせん書くべきことがまだあるからどうしようもない。 量子力学という学問が産声をあげた頃は、みなはそれほど量子というものに注目していなかった。…

ちっさいおっさんが織りなす量子仮説

日々の文章を書き溜めた野帳が二十冊を越えた。昔は日記を書いていたが、いつからか面倒になりこうして文章を埋めていくノートを持つようになった。もっとも、はじめのころはアイデアをスケッチするためのノートでしかなかったのだが、後から見返すと何を考…

光のつぶつぶオレンジは自販機で110円いれると出て来たあれと等しく台風一過

日々多くの文章に囲まれて生活をしているが、彼らが私に与えてくれたものはなにひとつない。そして私が彼らに与えられるものもない。そうであってほしいと願う。皆、もとから何かを持っており、それを捨て去ることはないし変化させることもしない。変わらな…

色付きバーコードと普遍の数式

時計の針を少し戻そう。スペクトルの話がしたい。 水素が発するスペクトルが不連続の値をとることは以前から知られていた。その規則性を探ろうとしたリュードベリは、スペクトルの波長ではなくその逆数である波数(単に長さ当りに波がいくつあるか)に着目し…

物理の歴史はでっちあげの歴史

書くことは区切ることだ。思考を明らかにすることでは決してない。我々の内部にあるシステムを思考と一口に表現することは、おこがましいというか、恐れ多いというか、自分でも使ったことのない語彙を用いたくなるほど体が震える。きっとこれは誰にも伝わら…

情報と時間とベルヌーイの定理

数える程度の朝がやって来た。今日私に課されたいくつかの仕事はやがて形骸化し、どこかの宇宙のチリになるのだろう。高校の友人が海の藻屑のことを、海のもずくとふざけて言っていた。当時も今も私にはもずくというものがどんなものかはっきりとは分からず…

ナポレオンとどんぐりコーヒー

中学生の頃、私は塾に通っていた。といっても、都会のビルに入っているような大きな塾ではなく、個人経営の小さなものだ。それは中学校の校舎から歩いて十分ほどのところにあり、毎週水曜日になると私は近くのコンビニで菓子パンと野菜ジュースを買い、塾へ…

学生は有休休暇の夢を見るか?/イギリスとフランスとコーヒー

まったく脈絡のないタイトルで申し訳ない。でも実際書き上げるとこうなってしまったのだ。サマーウォーズでも観ながらダラダラ読んでほしい。 いくつかやることがあったので、今日は有給を消化した。銀行と役所へ行き、いくつかの書類を手に入れた後、近くの…

それとなく短歌

1.手帳 無意識に引かれた生命線をしめだすよう掴む手帳はあかい2.花火 ちょうどいいヘルツが分からぬまま声を出したマムシとあちらの花火3.虫 ひとかどの電子の雲を虫たちは羽ばたく加速器生命誕生4.白 めくるめくるが抜けている白いまま単語帳もう放り投げ…

日向電工の解釈とスーフィズム/「コーヒーが廻り世界史が廻る」

「メルババ」はトルコ語の「こんにちは」にあたる言葉だが、それは「あなたの周りに広がりはあるか」という意味になる。砂漠の民は周囲が開けていた方が幸福を感じるらしい。私は砂漠の民なのだろうか。メルババが好きだ。広がりは物理的なそれではなく精神…

ドトールの株を買った。

コーヒーが好きだったのでドトールの株を買った。近頃は世間が頑張ってみなに投資を勧めてきていて、少し興味があった。給与が振り込まれるのとは別の口座にまったく手を付けていないお金があったので、それを利用した。銀行に預けておくより利回りがいいか…

これで最後にするから、と許しを請うインド神話

インドラがいじけていなくなったせいで、世界は荒廃しヤバい状況になった。神々はどうしようもなくなって、とりあえず良いとこ出のナフシャを王にまつりあげることにした。「いやいや、私では力不足ですよ」とナフシャは断ったが、神々は引き下がる。「力不…

なんかもうよく分からなくなって失踪したインド神話

結局、干上がった海は天上のガンガー(ガンジス川)を地上に導き満たされた。 話は変わるが、トゥバシュトリはインドラを殺すためにヴィシュヴァルーパという名の、三面をもつ息子を造った。三面のうちひとつはヴェーダ聖典を学び、ひとつは酒を飲み、ひとつ…

塩分過多もいとわないインド神話

インドラ率いる良い人同盟は、ヴリトラら悪の組織の攻撃に苦戦していた。インドラが梵天になにか良い方法はないかと聞くと、梵天は「ダティーチャ聖仙の骨を使って金剛杵(ヴァジュラ)を作りなさい」と答えた。良い人同盟はさっそくダティーチャ聖仙のもと…

とくに意味を見いだせない神々の話/「インド神話 マハーバーラタの神々」

紀元前五、六世紀になるとバラモン教の勢力は衰えるもやがてヒンドゥー教として復興する。ヒンドゥー教の主神はシヴァとヴィシュヌ、そしてプラフマー(梵天)である。シヴァは青黒いくびをしているがこれは世界の滅亡を救う際に猛毒を飲んだためである。住…

日常生活には役に立たない神々の話/「インド神話 マハーバーラタの神々」

しばらくはインド神話について語る。 『リグ・ヴェーダ』が誕生したのは紀元前一二〇〇年前後だと言われている。ヴェーダとは知る(veda)という意味が語源であり、バラモン教の聖典の総称となった。それは作られたものではなく、永遠の過去から存在していた…